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2020/03/23

香港人事管理・ここがポイント(番外編)「正月、社員と年末年始をどう食べる?!」

 

ポイント④ 番外編

その2. 「正月、社員と年末年始をどう食べる?!」

 

☆P商事(香港)営業所の佐藤総経理は赴任後、初めての旧正月を迎えていますが、なかな か分からないことばかり。そこで、今日も、なんといっても頼りになる我ら“ポイントさん”が、 風習と人事管理の接点に迫ります。

 

ポイントさん : 佐藤総経理。あけましておめでとうございます。
佐藤経理 : ポイントさん、今日はとっても賑やかだね。ジャンジャカ、ジャンジャカ・・・って獅子舞のお囃子が。こ れは縁起物で厄除けだね。その上、旧正月ムードは盛り上がって、一石二鳥。でも、何といっても僕 たちには、今年二回目のお正月だから・・・まあ、兎に角おめでとう!!
ポイントさん : はい。兎に角なんですね。さて、佐藤総経理。今日はちょっとお聞きしたいことがあるのですが。
佐藤経理 :  ポイントさんが僕に質問というのも珍しいねぇ。一体何の話だね?
ポイントさん : 年が明けてからお聞きするのもなんですが、去年の年末・・・といっても先週のことですが、☆P商事 として社員と『団年飯』を食べられましたか?
佐藤経理 :

いやあ、香港に来てからいろいろな飯を食べたが、その『団年飯』ってのは一体どんなご飯かなぁ。 例えば、釜飯?それとも団子・・・

ポイントさん : いやいや、すみません!これは料理の名前ではないのです。日本で言うなら『忘年会』ってところで しょうか・・・でも、少し意味合いが違うような・・・
佐藤経理 : ええっ?!『忘年会』?!それはやってないよ。だって、赴任当時は僕も結構気をつかっていたんで ねぇ。社員を食事に連れて行ったり、時には飲みに誘ったりと、声を掛けてはいたんだが、なんだか 皆乗りが悪いものね。それにわが社は、女性社員が圧倒的に多い。男性社員も食事の席で、コーラ なんか平気で注文するしなぁ。『忘年会』って言っても誰も喜びやしないよ・・・
ポイントさん : そうでしたか。でもですね・・・ですから、ちょっと日本の『忘年会』ではないんです『団年飯』というのは・・・。 それから、基本的にはここでは“飲む”文化は“食べる”文化ほど生活風習に密着してはいないです から。
佐藤経理 :  そうだろう!“飲む”文化がないのだったら、社長も社員も無礼講で飲んで騒いで一年を忘れよう!!・・・って のが『忘年会』なんだから、この会社でも到底企画としたら“ボツ”だろう。
ポイントさん : そうですね。それは確かに“ボツ”でしょうね。いくら飲んでも騒いでも、この前のようにトップクライア ントの△△電機からの納品遅れのクレームは、総経理にとっても大変でしたでしょう・・・
佐藤経理 :  ああ、それは確かにだよなぁ・・・本社にまでクレームが届くなんて・・・ちょ、ちょっと待ってくれよ、正 月早々から過去の話で人を暗くさせるなよ。それでポイントさんは、一体何が言いたいの!!
ポイントさん :  ああっ、すみません。それでは、少し『団年飯』の意味をご説明させていただいていいですか。
佐藤経理 : いいとも。
ポイントさん : この『団年飯』というのは、もともと旧正月の大晦日、旧暦カレンダーでは“年三十”に家族が一同に 会し、団結を固めるために食事を共にするという風習です。これは、今も中華系の人々に守られて いるもので、この大晦日の食事は、元旦のお祝いよりも大切な日とされています。『団年飯』を家族 と共にしないことは、団結を欠く大変親不孝なことと思われます。
佐藤経理 :  はあ。家族の結束のためにわが社の勤務時間も16時までになっているんだ。今ごろ分かったよ。
ポイントさん : さて、人事管理の現場では、社員の結束やチームプレーをいかに育てていくかが常に課題の一つで すね。今回のクレームを一つの例にしてもお分かりになると思いますが、営業部と配送部のコミュニ ケーションに問題があったために、本当なら小さな問題が今や忘れ難い大きなクレームにつながっ てしまったことからも、今の総経理には実感してもらえると思います。
佐藤経理 : 確かにそのとおりかも知れんな。この両部門だけではなく、自己主張ばかりが目立って、個人主義的 な仕事をする社員が気になってはいるんだよ。でも、どうすれば、チーム意識を持たせられるのだろ う。中華系スタッフで支えられているこの会社としては永遠の課題だね。
ポイントさん :  そうです!だから、このような中華系の人々が古くから受け継いで守っている風習は、中華系人民 の団結意識を強めることを目的にデザインされていると思うのですが、いかがでしょう?
佐藤経理 : ??
ポイントさん : 例えば、思い描いてください。レストランの入り口によくある宴会の予約を墨書きしているボードを。 そこに『☆P商事有限公司・団年飯』とか看板書きされたら、それを見た社員には、小さいながらも一 つの“団体意識”の刷り込みになります。その上、衣食住という行為を共にするのは、人間の団体意 識作りとしては侮れません。例えば、制服、食事、合宿などで社員が共通の認識を持つことは、実際 にも多いでしょう。
佐藤経理 :  ふう~ん、なるほど。でも今ごろそんなこと説明されてもタイミングが悪すぎないか、ポイントさん。 もう年が明けてしまっているんだから。
ポイントさん :  いえいえ、大丈夫ですよ。敗者復活戦があります。
佐藤経理 : 敗者復活戦??お年玉ってことではないだろう。
ポイントさん :  そうではなく、新年もまたまた“食べる”んです。
佐藤経理 :  食べる?それは『新年会』だね?でも、僕たちにとってはこれも“飲む”んだけど、ここじゃ、やっぱり “食べる”んだ・・・
ポイントさん : そうです!こちらでは『開年飯』といいます。家族では、お正月の二日目に集まって食事をします。会 社でも“仕事始め”という意味が 『開年飯』の“開”という字に表われていますので、仕事始めの週に 会社でランチなどを企画されれば士気が上がりますよ。
佐藤経理 : そうか。でも、昼飯でいいの?
ポイントさん : お昼でも充分ですから、社員の皆さんにはご一緒に中華料理のフルコースを食べてもらってください。
佐藤経理 : フルコース?!
ポイントさん : 会社と社員の繁栄と健康を願っての食事ですから、食材も一通りは出てこないとマズイようです。おめ でたい『開年飯』用セットメニューは、どこのレストランにも用意されていますからご安心ください。
佐藤経理 : そうか!社員と食事することで、団体意識を目覚めさせ、後に少しでもクレームが減るんだったら・・・ ああっ、いっくらでも食ってやるぞ~~っ!!
ポイントさん : ああ、ちょっと、ちょっと総経理!そのご様子からして既に血圧が上がってませんか。中華料理はち ょっと控えられないと・・・
佐藤経理 : あのう・・・ポイントさん、僕にいったいどうしろって言うの!?

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