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2020/03/11

香港人事管理・ここがポイント(香港ワーキングスタイル編)「社内の人間関係に悩む」

 

ポイント③ 香港ワーキングスタイル編

その2. 「社内の人間関係に悩む」

 

☆P商事(香港)営業所の経理部には、入社20年の香港人経理マネージャー・リタさんを筆 頭に、全員女性です。また、皆それぞれが、勤務年数7、8年以上のベテラン社員。川﨑経理部長は、何事もリタさんに任せておけば安心と組織を任せてきました。その一方、本社の経 理部と連絡を取ることが頻繁になり、日本語のできる経理社員を増員することになったので すが、それがきっかけとなり、経理部内の人間関係が気になってきました。そこでやっぱり頼 りになる我らポイントさんに相談することにしました。

 

川﨑部長 : どこの国でも同じですかね、ポイントさん・・・
ポイントさん : どこの国も同じ・・・と言えば、それは、嫁と姑の関係ですかね?これは、かなりグローバル化が進ん でいるので・・・
川﨑部長 : グローバル化って・・・
ポイントさん : 嫁と姑の仲が悪いのは、香港も日本と同じということですね。ウチも上手く行ってなくて・・・川崎部長 もきっと、口に出せぬご苦労をされていることでしょう。
川﨑部長 : あのう・・・勝手に同情しないでください!私の家庭の問題をポイントさんに相談してどうするんですか?!
ポイントさん : あっ、違っていましたか!?嫁と姑ではない・・・、それじゃ、新入社員を採用しても、すぐ辞められて しまう・・・というお話しですか?
川﨑部長 : やっぱり、判ってる・・・
ポイントさん : 3人続きましたからね。
川﨑部長 : ああ、もうそこまでご存知・・・それじゃ、話は早いですよね。やはり組織に問題があったようなのです。
ポイントさん : そうなのですね。それは、ちょっと心配ですね。
川﨑部長 : それが、のんきな話ですが、私はほんのさっきまでは心配していなかったんです。
ポイントさん : 心配されていなかった・・・最初のお二人の退職理由は何でしたか?
川﨑部長 : 最初の一人の理由は聞いていませんが・・・
ポイントさん : 聞いていない?
川﨑部長 : ちょうど出張前で忙しかった時だったので・・・
ポイントさん : そうですか。
川﨑部長 : 辞表が私の机に置かれていたので、リタさんに渡して、彼女から面談してもらいました。リタさんから は“彼女が辞めたいと言ってる”とだけ聞きました。
ポイントさん : そういうことでしたか。
川﨑部長 : でも、二人目の人は、直接私の席まで来て、辞表を手渡されたので・・・
ポイントさん : それで、別室に呼んで事情を聞かれた・・・
川﨑部長 :  いいえ、私の席で即聞いたんです。何で辞めるのかって。
ポイントさん : はい・・・
川﨑部長 : そしたら、家庭の事情で辞めたいと・・・、確かお嫁さんの立場で、お義母さんの面倒を見ることにな ったとか・・・
ポイントさん : お義母さんの面倒をみる・・・ふふ~ん、その問題はグローバル化ですから、香港では既に有り得な いかも・・・
川﨑部長 : そうですかぁ~。そして、三人目の人は、“職場の環境を変えたい”とか、ちょっと意味不明の理由で 辞めて行かれ・・・
ポイントさん : 環境を変えたいというのは、香港では、“退職理由の慣用句”ですからね。
川﨑部長 : 退職理由の慣用句?
ポイントさん : 換言すれば、環境を変えるということは、人間関係を変えたいという意味ですね。
川﨑部長 : はあ・・・
ポイントさん : 4 人目のリンダさんですが、彼女も辞めたいというお話ですか?
川﨑部長 : ええ、さっき彼女の方から、ちょっと時間をというので、直ぐに会議室で話しました。そしたらまた、“環 境を変えたい”だったんです。
ポイントさん : 慣用句できましたか・・・
川﨑部長 :  でも、話をしていくうちに、ついに本音を話し始めたので、その内容に驚いたのです。
ポイントさん : リタさんと上手く疎通できないので、ということでしょうか?
川﨑部長 : そう、そのとおり!
ポイントさん : 長く働いている社員は、調子を合わせる事に慣れていますが、外から入ってきた人には、かなりやり にくい性格かもしれませんね。
川﨑部長 : ちょっと頭が固いところが有るかもしれません・・・
ポイントさん : でも川崎部長、賢明でしたね。川崎部長の席のそばでそのまま話されても、リタさんや他の社員も近 くに座っていますから、表面的な話しか聞けませんでしたからね。社員との対話は、できるだけ時間 に余裕があるときに、他の社員に気を遣わせずに話せる環境を提供してあげることが、まずは第一 歩ですから。
川﨑部長 : ああ、最初のケースから、私が直接話を聞いておけば、4人目までにはならなかったかも・・・と思う と、しばし反省・・・
ポイントさん : このように、辞める辞めないという話でなくても、できれば、社員と一対一の面談の機会が、時々あ るといいですね。それから、特に辞職願いが出たような場合には、中間に他の社員を介さず、できる だけ部長ご自身が直接話されることをお薦めします。日頃、部長の立場で見えにくい組織の内情や 欠点が見えてくるヒントのような話が聞こえてくるかもしれません。
川﨑部長 : 話してもヒントぐらいなんですね。
ポイントさん : 本音や偏見のない意見を社員から上手く聞き出すことは、本当に難しいことですね。でも、どの社員 も部長と直接話ができる機会を定期、不定期に持てる組織になれば、社員は無責任な発言をしづら い・・・社員に無責任な発言をさせないための牽制 になりますね。
川﨑部長 : 情報は双方から取るということですね。
ポイントさん : そのとおりです。また、日本語が話せる社員と話せない社員からの話を比べると、日本人上司から は日本語で聞く方が受け入れられやすいのは事実でしょう。でも、組織内の意思疎通のバランスを 崩す恐れがありますので、注意されることが必要です。
川﨑部長 : あの・・・。リンダさんの話にもどっていいですか?
ポイントさん : そう、リンダさんですが、先ほど部長もおっしゃっていましたが、社員は、自分が辞めると決めたら、 その後その会社の人間関係がどうなっても自分には関係ないことだと考えると思います。でも、リン ダさんは、リタさんとの関係がしっくりいかないということを部長に伝えられたということであれば・・・
川﨑部長 : えっ?リンダさんは、本当は辞めたくないということ?
ポイントさん : はい。是非、再度お話し合いを持たれてはどうでしょう?
川﨑部長 : そうします。リンダさんは、日本語も上手だし、明るい性格で、積極的に仕事について質問や意見も 出してくれています。日本とのコミュニケーションも上手く、本社の評判も良いので・・・
ポイントさん : そうですか、そこまで優秀であれば、リタさんも少し気になりますね。
川﨑部長 : ああ、ますます難し~い!・・・会社も家庭も同じじゃないですか・・・。嫁さんの意見ばかり聞いてしまう 僕に、お袋も僻みっぽくなってしまっているのと似てる・・・
ポイントさん : ああ、やはり、嫁と姑話をしたかったんですね、川﨑部長!!
川﨑部長 : なんだか似てるかも・・・

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