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2020/02/28

香港人事管理・ここがポイント(雇用条例編)「産休について」

 

ポイント② 雇用条例編

その7. 「産休について」

 

☆P商事(香港)営業所では、総務部の河野部長は日本から就任してきてはや4ヶ月目。日本 語が話せるアシスタントのミッシェルさんを就任直後に採用し、試用期間も終了しようという タイミングです。そこでいよいよ10月ごろから本格的に仕事をと考えていた矢先、ミッシェル さんが“おめでた”であると知らされました。そこで、今日もなんといっても頼りになる我らポ イントさんに尋ねることにしました。

 

河野部長 : ポイントさん、ちょっといいですか?実は、ミッシェルさんのことなんですが・・・
ポイントさん : ミッシェルさんですか。彼女、河野部長のお眼鏡にかなった人材だけあって、性格も明るく、社内にも すっかり打ち解けてきましたね。中国での職務経験もあるので英語や日本語だけではなく、マンダリ ンも流暢に話されますし、気が利いてしっかりした方でよかったですね!
河野部長 : そう、それはそうなんですが・・・
ポイントさん : そういえば、そろそろ試用期間も終了するころですよね。えっ、ミッシェルさんについてのご相談とい うのは、まさか彼女が辞めたいとか言われているんでしょうか?!
河野部長 : いやいや、その逆なんです。
ポイントさん : 逆???
河野部長 : そのミッシェルさん“おめでた”だという話があって・・・
ポイントさん : ああ・・・
河野部長 : 試用期間も終わる来月からは、新規プロジェクトの打ち合わせに中国への長期出張を組んでいたん ですが・・・
ポイントさん : はい・・・
河野部長 : これは、行かせられないですよね。
ポイントさん : そうですね。もし本人が出張してもいいと言われても、基本的には、会社の立場を考えると代理を立 ててアレンジされるべきですね。
河野部長 : で、そうなってくると、問題は今回の出張だけに止まらないのです。
ポイントさん : とおっしゃるのは?
河野部長 : それは、中国での新規オフィス開設のプロジェクト担当として彼女を採用したのですから、このプロジ ェクトから外すことになるとミッシェルさん採用の意味がなくなります。
ポイントさん : ・・・
河野部長 : このまま正規採用してしまっても良いのかというのが正直なところで・・・
ポイントさん : でも、採用を継続しないとなると、それはそれで、深刻な問題に発展することなりますね。
河野部長 : でも彼女の場合、現在試用期間です。また、本人からは正式に医師の診断書を提出されたわけで はありませんし、ましてや、産休取得についての申し出もされていない・・・このタイミングに会社が正 規採用しないという決定をするという選択肢はありませんか?
ポイントさん : 難しいです。妊産婦の保護に関する条例には“社員が医師によって妊娠と承認された期日から産休 を終え復帰する日までの解雇禁止”と明記されています。
河野部長 : でも、ミッシェルさんからは、私に直接、正式な話として妊娠を伝えてきているわけではありません。 この話は、たまたま他の社員から私の耳に入ったウワサに過ぎない。会社として試用期間中のパフ ォーマンスを判断して、正規社員としての雇用契約を結ばないという判断をしても不思議はないでし ょう?
ポイントさん : ここでの問題は、直接お話を聞かれたかどうか、または、試用期間中のパフォーマンスの如何につ いての何れでもありません。問題は、ミッシェルさんが妊娠されているのがどうかの事実のみです。
河野部長 : 事実のみ・・・
ポイントさん : そうです。それが事実であり、医療機関の証明が出れば、先ほどご説明させていただいた条例に従 うことになり“解雇禁止”となりますので。
河野部長 : それであれば、本当に会社が妊娠を知らずに、本当に仕事に対する適合性がない場合であってもど うにもならない?
ポイントさん : はい、繰り返しますが、上記条例に触れることになりますので・・・
河野部長 : あ~もうわかりましたよ。全くお手上げだということですね。
ポイントさん : そのとおりです
河野部長 : 無理だということであれば、腹を括るしかないんですよね!ええい!もうわかりましたよ、僕が出張し て働きますよ!“お母さんと一緒”ってね!
ポイントさん : それでは、ここで改めて妊産婦の社員の保護に関する法令を説明させていただきましょう。
河野部長 : よし、こうなったらしっかり理解しておくぞ!
ポイントさん : 主な内容としては、①産前産後の検査を保障する ②産休を保障する ③産休期間の給与を保障す る ④妊娠が認められた期日から出産後勤務復帰までの雇用を保障する ⑤重労働等調整をするな どがあります。
河野部長 : はあ。
ポイントさん : また、有給の産休を取得するための前提条件ですが、“産休開始日までに40週間以上継続した雇 用関係が成立していること“そして“妊娠と出産予定日について、医師の診断書を会社に提出し産休 の取得を正式に申請していること”となっています。
河野部長 : ②産休期間は、何週間でしたっけ?
ポイントさん : 産前産後合わせて10週間です。また、出産予定日から2~4週間前の日程を社員と相談してあらか じめ決めておき産休を開始してもらいます。
河野部長 : ③産休期間の給与というのは全額支給ですか?
ポイントさん : いいえ、給与の5分の4を支給します。
河野部長 : ああ、なんだかいろいろありますねぇ~。
ポイントさん : それじゃここで、河野総務部長のお気持ちを晴らす駄洒落といきましょう。ミッシェルさん、産休いた だいただけに部長に感謝“サンキュー”ってね!
河野部長 : 産休のレクチャーにも“サンキュー!”ってお返ししますよ!

 

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