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2020/02/24

香港人事管理・ここがポイント(雇用条例編)「ダブルペイの季節」

 

ポイント② 雇用条例編

その3. 「ダブルペイの季節」

 

☆P商事(香港)営業所の川崎経理部長は、赴任して半年。香港での年末を初めて迎えよう としています。香港の年末といえば“ダブルペイの季節”。雇用条例も絡めてダブルペイにつ いての話を今回もやっぱりなんといっても頼りになる我らポイントさんに尋ねることにしま した。

 

ポイントさん : ああ、また、何かまた腑に落ちないことがおありなんですね、川崎部長。
川崎部長 : いつも誰よりも、僕の気持ちの理解者はポイントさんですね。
ポイントさん : 何でも“納得する!”がモットーの川崎部長ですからね。その顔つきを一目見れば、私でなくても分か りますよ
川崎部長 : そうでしょうか?今納得していないのは、ダブルペイについてですが・・・
ポイントさん : 師走ですものね。それに、ダブルペイは、“双糧”と書いて、華僑の習慣ですから、日本にも無いので 判りづらいかもしれません。
川崎部長 : 華僑の習慣?
ポイントさん : もともと、香港は華僑の街ですね。昔は、今のようにフィリピン人のメイドさんではなく、中国人の “阿 媽”さんが、裕福な家庭に住み込みで働いていました。年に一度だけ年越しから新年にかけて里帰 りする時に、雇い主が与えた年越し金が今に至っているといったところです
川崎部長 : へえ、そうなんですか・・・
ポイントさん : これで納得!していただけましたか?
川崎部長 : いや、いや、ダブルペイを支給する歴史はいいんですよ、なぜウチが支給しなくてはいけないのか? ということなので。
ポイントさん : ・・・
川崎部長 : というのは、取引先で香港企業の△Q電機のオーナー社長の李さんと、先日食事する機会がありま して。そこで、ダブルペイの話になり、聞いてみると、△Q電機では、もう 5 年も前に廃止したとか・・・
ポイントさん : はい・・・
川崎部長 : △Q電機では、ダブルペイは廃止して、その代わりにパフォーマンスボーナスを支給しているそうな んです。それで、社員がやる気を出して業績を伸ばした・・・という一石二鳥の成功例を聞いたもので すから。
ポイントさん : その話は、非常に微妙で難しい話ですね。
川崎部長 : そうなんですね、やっぱり。
ポイントさん :  やっぱりと言われますと?
川崎部長 : ちょっと、その話をですね、経理部副部長の周さんにもしてみたんですが・・・
ポイントさん : 今さら止めるなんて無謀だとか、その上、違法だとか言われませんでしたか?
川崎部長 : その通りです。でも、私としては納得できません!違法なんて人聞きの悪いことを言うので、私も早 速、会社の雇用契約書を読んでみたんですが、ダブルペイ支給については一切記述されていませ んでした!契約事項にも入っていないのに、慣習的な意味で長年支給されていたということですよね。
ポイントさん : 川崎経理部長には、残念ながら、非常に納得し難いことだとは思いますが、支給を中止するには、 大変難しいと思われる点が3つあります。
川崎部長 : ??!!
ポイントさん : 雇用契約書を読まれた中には“☆P商事香港営業所は社員にダブルペイを支給しない”と記述があ りましたか?
川崎部長 : ダブルペイについては全く触れられていませんでした。支給するともしないとも。
ポイントさん : はい、そこです!
川崎部長 : ??!!
ポイントさん : まず第1に、香港の雇用条例にはダブルペイは、企業の任意の支給ではある。企業が支給しないと した場合には、その旨を“明記”しておかなければならないとあります。
川崎部長 : 明記・・・していない場合には?
ポイントさん : 明記が無い場合には、“旧暦正月の前に1ヶ月分の賃金にてダブルペイを支給しなければならない” となっています。
川崎部長 : ハア・・・
ポイントさん : 第2ですが、この会社では、もう何年も毎年末の慣習として、ダブルペイを支給され続けています。こ れは・・・
川崎部長 : これが、既成事実となっており、☆P商事の雇用条件の一つと見なされるということですね。
ポイントさん : そのとおりです。
川崎部長 : 第3というのは?
ポイントさん  : すみません。景気が良い年には、社員の転職が活発になると予想されます。特に、ダブルペイとボ ーナスの支給をまって、転職しようと考えている社員が少なからずいると予想できます。このような 環境下で、雇用条件を変更するダブルペイの廃止は難しいと思います。
川崎部長 : う~ん、ポイントさん。今日は納豆定食ぅ・・・“納得!!”ってところですね。ネバネバ定食でも食べ に、お昼に出かけましょう。

 

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