2019/08/02

香港人事管理・ここがポイント(第13回)「スマートに出してすっきりお年玉」

パソナアジアカンパニーリミテッド 戸崎悦子

 

今週の人事管理のプロ、我らの“ポイントさん”は、人事管理者なら知っておきたい「香港・冠婚葬祭」についてお話します。

 

ポイントさん 「佐藤総経理。今日は何だか、うれしそうなお顔ですね」

川崎経理部長 「いやあ、分かるかねえ、ポイントさん。香港に赴任して初めてなんだよ。いやぁ、実に、めでたい!」

ポイントさん 「初めての・・・旧正月でしょう。単身赴任の皆さんとゴルフ三昧ですか」

川崎経理部長 「いや、旧正月は寝正月。そういえば、旧正のお年玉についてもポイントさんに聞こうと思っていたんだけど、年末に入社して3カ月ぐらいかなあ、あの受付の眼鏡の・・」

ポイントさん 「李さんですか?」

川崎経理部長 「そうそう李さんだったよね、彼女から結婚式の招待状が届いたんだよ」

ポイントさん 「おめでた続きで結構なことですね。でも、ついに佐藤総経理にも来てしまいましたか!真っ赤な招待状に金文字、ケーキの引き換えクーポン券付きで」

川崎経理部長 「ほぉ、さすがに細かい指摘でお見事だ。見抜かれたからには、ケーキのクーポン券は、ポイントさんに進呈しよう!」

ポイントさん 「そういえば、総経理、先月の健康診断の結果を受け取られましたね。血糖値が気になられますね」

川崎経理部長 「いやあ、そりゃまぁ・・ちょっと気にはなっているのも事実だけど・・それにしてもいつも読みが深いねぇ。それこそ、ポイントさんこそ人事管理の職業病だよ」

ポイントさん 「確かにそうかもしれませんねぇ」

川崎経理部長 「今日は、難しい話じゃなくて結婚式とお年玉の世間相場を教えてよ」

ポイントさん いや、お言葉ですが、相場といっても総経理のお立場から何事も判断されなかればなりませんからね。☆P商事には今、50人ぐらいの社員でいますよね。未婚の社員も多い。なるべく平等・公平を心がけて、お祝いの金額を決めておかれる方が無難です。たかがお祝い金などとお考えかもしれませんが、前任の総経理が大盤振る舞いされていたりすると、後任に影響を与えることもよくあるんです。なんといっても“お金”ですから」

川崎経理部長 「そういうこともあるかもねぇ・・じゃあ、詳しく聞かせてよ」

ポイントさん 「わかりました。それでは、まず、お聞きしますが、☆P商事の社則ですが、慶弔金について何か定めてはおられますね?」

川崎経理部長 「ああ。社員自身が結婚する場合、結婚祝いとして一律HK$500が会社から支給されることになっている」

ポイントさん 「それでは、社員にとってはありがたいことですね。お年玉についての規則がないようですが、これは、若くても縁起を担ぐ香港人が多い社会ですから、新年も健康で働けるようにという意味をもつお年玉『開工利是』と呼ばれるものを用意されるのはどうでしょう。金額は20ドル~100ドルでも。新札で赤いお年玉袋に入れてあげます」

川崎経理部長 「ここのお年玉っていうのは、独身に上げるっていうことだから、独身女性社員には、ちょっと渡しづらい場合もあるよね。仕事始めの意味のお年玉であれば、皆一律に縁起ものとして出せば、独身かどうかなんて変に気を使わなくて良いわけだね・・」

ポイントさん 「そうですね。さて、結婚のお祝いの場合は、ちょっと複雑です。例えば、今回のように招待状が届いた場合、皆の暗黙の了解としては、お祝いを上げなくてはいけないということになります。私も、あまり付き合いが無い友達から突然招待状が送られるなんて“不幸”にも、ときどき見舞われます。また、地味婚の場合もあります。これは、女性社員の場合であれば、ケーキのクーポンだけ届きますが、それは結婚式には招待されていないので、総経理のお立場であれば・・300ドル~ぐらいのお祝いが要りますかねぇ」

川崎経理部長 「まあ、どっちにしても入用だね」

ポイントさん 「結婚式の招待状を受け取られたら、まず封筒の宛名を見てください。総経理だけへの招待状であれば500~1000ドル、ご夫婦や家族宛というのもありますから、その場合には1000~1200ぐらいは最低必要でしょう。ところで、李さんの式にはご出席のおつもりですか?」

川崎経理部長 「それは行かなきゃいけないだろう!なんといっても新婦側の勤め先の上司として。祝辞の一つも頼まれるだろう」

ポイントさん 「あのう・・・こちらの結婚式は披露宴です。この招待状に書いてありますが、場所は、銅鑼湾の○×△酒楼ですね。日本のように結婚式場で感動的な演出に盛り上げられ正装した人々が、感動的なお祝いのスピーチを述べる・・といった式ではありません」

川崎経理部長 「それじゃ、ウワサどおりマージャン・・・」

ポイントさん 「そのとおりです。親戚や友達が4時ごろからマージャンを始めたり、写真を撮ったり・・しているうちに人々が会社帰りに集まってきます。そして、夜も9時ごろマージャンも一段落すると、12人用の丸テーブルをセットして宴会が始まります。ワイングラスを持った新郎新婦は結構大変ですね。それぞれのテーブルを回って乾杯を繰り返す・・最後に出口のところに二人と親戚が並んで立ち始めると宴はお開き。お客様は食べ切れなかったオレンジなんかを持って挨拶して帰ります」

川崎経理部長 「はぁ・・」

ポイントさん 「そこでなんですが、ぼくの深読みの癖をお許しいただけますか?」

川崎経理部長 「えっ?」

ポイントさん 「実はこの結婚式のご招待ですが、総経理は彼女の名前も覚えていらっしゃらなかった・・・」

川崎経理部長 「まあ、入社して数カ月の社員だから・・」

ポイントさん 「そうですよね。それでは、これはずばり佐藤総経理への“義理”カードでしょう!」

川崎経理部長 「義理カード?バレンタインデーの義理チョコみたいな・・」

ポイントさん 「そうです」

川崎経理部長 「まぁ、スピーチは要らないのはわかったけど、式にも出なくていいの?」

ポイントさん 「お祝い金を差し上げられるだけの方が、スマートかと思います。」

川崎経理部長 「なんだか、拍子抜けだなぁ」

ポイントさん 「そうですね。でも、いい機会ですから一つ基準を作っておきませんか」

川崎経理部長 「基準?」

ポイントさん 「総経理のお立場としては、どの社員ともアフターファイブであっても、個人的には付き合えないと思っていただいた方がいいですね。付き合っても会社の立場を忘れることが無いようにしなければいけません。例えばお祝い金ですが、マネージャークラスの社員の結婚式はご出席されお祝い金は1000ドル。また、中間管理職以下については、出席は遠慮しお祝い金は500ドル・・といった一定の基準です」

川崎経理部長 「それは、確かにこれも管理の一つのポイントかもしれないね」

ポイントさん 「そして、後任の方へ伝えておいてくださいよ。ご帰任の前には」

川崎経理部長 「ちょっと待ってよ、ポイントさん。その口ぶり・・僕の帰任を心待ちにしているように聞こえるぞ」

ポイントさん 「いやあ、さすが佐藤総経理!今日のお話で、すっかり深読み癖がついたようですね!」

(2007年12月24日掲載記事)

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