2018/08/09

第4回 採用編「転職歴を根掘り葉掘り聞くべし」

パソナアジアカンパニーリミテッド 戸崎悦子

今週の人事管理のプロ、我らの“ポイントさん”に寄せられたご相談は「履歴書を読み取る — その3」です。
☆P商事(香港)営業所の山田営業部長は、営業アシスタントの採用のため、履歴書を読み始めました。なるべく長く働いてもらえる人材を採用したいのに、手にした履歴書にある頻繁な転職歴に驚きが隠せません。面接を明日に控えた山田部長にポイントさんは、転職の中身や労働環境についても理解してもらおうと、説明をしています。

 

山田部長「なんだか、転職のためにキャリアを積んでいるみたいな履歴書だよね」
ポイントさん「ああ、逆転の発想ですね。そういう言い方も、ある意味正しいかもしれません。賢い転職を心がけている人材なら、転職によって昇給と昇格を自分の手中にすることはもちろん、仕事や企業のレベルアップも一度に図りますから」
山田部長「ふう~ん、でも、その半面、会社への帰属意識というのは、期待できないのかなあ?仕事の教え甲斐ってものが無くなるよね」
ポイントさん「そうですね。それは、確かに、お気の毒です。でも、そこも逆転の発想をしてみて下さいよ。何年もかけて人材を育てる手間が無い、他社での経験をウチで活用できるっていうことも言えるのでですから」
山田部長 「はあ、それもそうだけどね」
ポイントさん「そもそも、最初の試用期間にトレーニングすれば、与えられたポジションの仕事を一通りこなしてくれるんですから」
山田部長「確かにそれは言えるね、皆、環境への適応能力結構あるんだよなあ」
ポイントさん「そう、そう、山田部長、面接では、転職理由も必ず聞いてあげてくださいよ」
山田部長「そうだね、履歴書には、その辺の情報が読めないものね」
ポイントさん 「それから、転職した先の組織構成、役職、上司、年収など詳しく会社ごとに聞いて下さい」
山田部長「はあ・・・そんな詳しく聞いちゃっていいの?」
ポイントさん「もちろんです!一回の転職できちんと昇給・昇格されている転職は、ステップアップですから評価できる転職と言えますが、逆に収入を下げてまで転職した場合には、何らかの事情があるわけですから、そのところもきちんと聞いて下さい。同じ転職でも、いろいろ意味あったりしますから」
山田部長「なるほど、そりゃ、いろいろあるんだろうけどね」
ポイントさん「いろいろあるって言う中には、労働環境の変化ということもあるんですが、1997年の中国返還前後では、同じ転職でも、大きく違っています」
山田部長「97年の返還直前は香港もバブルの絶頂期だったよね。でも、返還直後、97年10月には、アジア通貨危機からバブルの崩壊。その上、SARSだものね。散々だったよなあ」
ポイントさん「それから返還前は、海外移民ブームで労働人口でも中間管理職層が海外へ流出したので、実力がなくても結構良いポジションに転職できた時代でした。ところが、返還後の経済の落ち込みで、現地企業では、中国へ移転した企業や倒産した中小企業も多く、倒産や移転で職を失った人が多かったことは、しっかり理解してやって下さい」
山田部長「そうだね、2005年になるまでは、香港の人たちも今までにない高い失業率に耐えてきたんだよね。それにしても、本当にパッとしなかったよな・・・」
ポイントさん「山田部長、急に暗い顔してどうしたんですか?ひょっとして、ちょうどそのころ、夏のボーナス減らされたこととか思い出しちゃってます?」
山田部長「ええっ!?何でわかったの?!」
ポイントさん「明日の面接でも、山田部長みたいに分かりやすい人だったら、インタビューのテクニック伝授はする必要ないんですけどねぇ・・・」
山田部長「はあ・・・?」

(2007年8月27日掲載記事)

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