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第124回 香港社員の辞職・転職 -その1.離職率

パソナアジアカンパニーリミテッド 戸崎悦子

☆P商事(香港)営業所の山田営業部長は、香港赴任してから今まで、現地社員から幾度か辞職願を受け取ってきました。しかし、香港駐在が3年になる今、ほとんどのことには慣れ親しんできた山田部長ですが、社員が突然辞めていくことだけは幾度となく対応してもなじめません。しかし、一般的な香港にある企業のルールと同じく、☆P商事香港でも辞職願を提出すると、そのタイミングから1ヶ月、通知期間のカウントダウンが始まることになっています。この期間には、本来であればできるだけ早く引継ぎを開始してもらう為の期間ですが、後任社員の採用を慌てて開始する場合も多く、また、タイミング良く後任が採用できたとしても、本当に十分な引継ぎが行われているかどうか不安です。
そこで、今日もなんといっても頼りになる我らポイントに、現地社員の辞職に関する考え方とその対応について、徹底的に聞いてみることにしました。
ポイントさん
「山田部長、このところお忙しいようですが、お元気ですか?」
山田営業部長
「元気なんか出ませんよ。お客様からの引き合いが続くこの時期、それでなくても出張の頻度は高いし、一年で一番忙しい。しかし、こんな僕の状況にも一切お構い無しなんだから・・・」
ポイントさん
「お構い無し・・・」
山田営業部長
「今まで結構上手くいっていると思っていたのに、ホントのところは、わからないものだよね・・・」
ポイントさん
「結構上手く言っていると思っていらしたのに、わからない・・・」
山田営業部長
「その上、一方的に期限まで切られてしまうわけでしょ・・・」
ポイントさん
「期限まで切られた・・・!」
山田営業部長
「当人は、次のメドもしっかり付けているわけでしょ・・・」
ポイントさん
「つ・・つぎも決まっているわけですか?!」
山田営業部長
「まあ、それは、はっきり教えてはくれませんけれどね」
ポイントさん
「う~ん、山田部長の怖~い奥様でも、そこまではおっしゃられないんですね。」
山田営業部長
「ウチの奥さん!?一体何の話?!」
ポイントさん
「えっ、今の話しというのは、山田部長の怖~い奥さんからの最後通知を受けられたのではないのですか?!」
山田営業部長
「違いますよ!!営業部のセールスアシスタントから、辞職願が出てきた話です!ウチは夫婦円満。ポイントさんのご心配には及びません。それに、僕の奥さんですが、怖~い奥さんなんかじゃありません。そりゃあ、確かに物事をハッキリ言う性格なのは認めますが。」
ポイントさん
「それは、大変失礼しました!!すっかり勘違いしてしまいました。物をはっきりおっしゃる奥様とご円満だと伺って安心しました。それに、お悩みが営業部で辞職社員が出ているということであれば、驚くようなことでもないでしょう?今年に入って何人目の辞職者ですか?」
山田営業部長
「えっ?今年に入って3人目になりますが、昨年も5人ほど入れ替わったし、いつも社員から辞職レターが出るたびに不安にさらされてますよ」
ポイントさん 
「そうですか。それでは、ここで、香港の転職事情について理解深めていただきたいと思います。香港人力資源管理学会が、この2016年2月に実施した、2015年における労働力に関する調査結果を説明させてください」
山田営業部長
「宜しくお願いします」
ポイントさん
「この調査は、アンケートに回答を寄せた在香港系中大手企業93社、社員総数が、118,790人を対象とした調査の結果となります」
山田営業部長
「はい・・・」
ポイントさん
「この調査では、社員の離職について質問しており、2015年度上半期の離職率(Turnover Rate)が10.8%であったということです。また、下半期の離職率については、10.4%。2015年通年となると、21%になりますので、総社員の5分の1が入れ替わっていたことになります」
山田営業部長
「はあ!それじゃあ、ウチの部門の離職率は、60人の社員がいて、辞職願を出し たのが、この半年で2人なので、平均以下の離職率だってことですね?」
ポイントさん
「企業の組織サイズによって、離職率に違いがあるようですが、例えば、500~999人までの組織では、通年の離職率が23.8%と高く、逆に100人以下の組織においては、通年で16.5%という結果です」
ポイントさん
「上期と下期の離職率にも大きな違いがなく、現地系企業においてダブルペイ支給が業績ボーナス支給へと変更されている等、企業の報酬体系が変り、転職の季節感が薄れてきたようにも思えますね」
山田営業部長
「なるほど」
ポイントさん 
「また、欠員率(Vacancy Rate)については、2015年は6.5%。失業率は、3%台が22011年から現在まで続いており、2015年度通年においても3.3%という結果でした」
山田営業部長
「職種や役職の違いによる特徴は?」
ポイントさん
「職種別では、昨年、香港の大型プロジェクトにおける労働力不足で何度も話題にのぼった建築・不動産業が、2015通年の離職率が50.5%を記録しているのには驚かされます。また2番目に高い離職率は、ビジネス/プロフェッショナルサービス業の33.3%です。」
山田営業部長
「それは、桁違い!それでは、離職率が高い役職は?やはり事務職でしょう?」
ポイントさん
「そうですね、ウチの会社同様にクラークレベル、またはサービスの前線スタッフで、2015年通年における離職率は、28.5%の高い結果でした。山田営業部長「この調査結果を聞くと、営業部での社員の離職率が、あまり気にならなくなった・・・と言いたいところですが、実際には、辞められることにより、後任の人事と業務引継ぎが不安材料なんだから、とても安心してはいられない。」
ポイントさん
「それでは、予想できない社員の辞職願に備え、具体的に事前対策を考えて参りましょう!!」
山田営業部長
「よーし!!」
ポイントさん
「ちょっと、元気が出てきましたね!その調子で物事をはっきりおっしゃる奥さんとも、もめないでくださいね!」
山田営業部長
「いや、だから、負けてないって!!」
 
 
 
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[ 時事速報・香港便より転載 ]


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