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第123回 『香港組織改造大計画』 - ”人事異動”って、どう?!(その2)

パソナアジアカンパニーリミテッド 戸崎悦子

☆P商事(香港)営業所の浜本総経理は、香港就任以来考えてきた人事構想があります。題して”香港組織改造大計画”!。現地組織のロ―カル化を図ろうとするもので、香港法人の中核を現地社員で構成させ、できるだけの現地化を進めていこうというものです。この構想の第一段階は、中間管理職を育てる為の人事異動計画。しかし、その実行はかなり難しそうです。そこで、今日もなんといっても頼りになる我らポイントに聞いてみることにしました。
ポイントさん
「総経理は、就任早々から、できるだけ部長クラスへ現地社員を登用されようとして来られましたね」
浜本総経理
「それはそうでしょ。海外拠点の数が増えてきた状況で、いずれの現地法人も駐在員だけで運営することには限界がある。なるべく現地社員を中心に、拠点運営がきるように仕組んでいかなければと考えているので」
ポイントさん
「なるほど。海外拠点の中でも香港なら、現地での日系企業の歴史も長いことから、日系企業で勤務経験を積んできた人材の層も厚いことから、現地化も進め易い市場ですしね」
浜本総経理
「グローバル化だといっても、日系企業の働き方を理解してくれている現地の社員が多いということは、本当にありがたいことだと思うよ。でもね、実は、ちょっと物足りないところもあって・・・」
ポイントさん
「物足りない?」
浜本総経理
「私が現地マネージャーに引き上げてきた現地社員は、仕事も早いし、合理的な考え方もできる、その上、バイリンガルやトリリンガルで優秀なんだよ」
ポイントさん
「はい」
浜本総経理
「だけど、仕事に対して自主性、積極性というか、自分の職務範囲を拡げたり、失敗を恐れず新しい分野に挑戦したりというような“気概”を感じられないところがあって・・・」
ポイントさん
「気概・・・」
浜本総経理
「時には合理的さが過ぎて、余計なことだと言って一歩踏み込まないことから、新しいビジネスを開拓するようなことには眼が行かないようで困ることがあるよ。また、自分の仕事や 自分の部門の仕事が上手くいっていれば、それで良し・・・と考えるような節がある」
ポイントさん
「それでは、せっかく昇格した現地マネージャーさん達のことがご心配だということですね?」
浜本総経理
「そう。これからの☆P商事香港営業所の管理者として、もう一歩独り歩きしてもらいたいと考えているんです。それで、管理職教育と言う視点から、香港でも日本のように人事異動をしてみたらどうかと・・・」
ポイントさん
「そう言うことですか」
浜本総経理
「人事異動により社員は否応なしに配属先の部門で新たな視点から業務経験を積む。業務を広範囲に理解することから職務の幅を拡げ、また組織全体を理解できるようになっていくのかと思っていてね!」
ポイントさん
「そうなんですね。でも、香港での人事異動実行は、社員教育の前に雇用契約の変更という面が強い事柄です。社員と締結している現行の雇用契約上、使用者が社員へ与えている条件(勤務地、勤務時間、職務内容、収入等)を、この人事異動によってどのように変更されるのかを雇用条件変更に関する契約書に全て書き出し、対象社員に充分説明責任を果さなくてはないません。また、社員には考慮期間を十分与え、変更点への理解と同意を署名を以って確認するといった人事的な対処方法を充分踏まえて対処しないことには、実行不可能です」
浜本総経理
「日本のように辞令だけ出して、後は悪いようにはしないよ!なんて言うのは駄目なんだ」
ポイントさん
「駄目駄目です。まず、肝心なのは、詳細に至るまでの説明を書面にまとめ、そして、その書面の内容が一人歩きしないように、内容説明は、個別で直接面談できる機会と環境を整えることも必要です」
浜本総経理
「いろいろ神経使わないと対処できそうにないなあ」
ポイントさん
「そうですね。ご用意された書面一つにしても、手渡しされ、内容に関して社員から質問が出たら答えられるように準備しておくことも必要です」
浜本総経理
「うーん、でも、そもそもウチの雇用契約書に明記されてあったよね、会社に正当な理由があれば、職務内容や勤務地の変更について社員にリクエストできるって権利があるだろう?」
ポイントさん
「おっしゃるとおり、リクエストされる自由はあります。でも、それは、あくまでも社員からの同意が必要であるのが前提です。そこで、会社の権利を持ち出されると、同意や署名を強要したと受け止められることになるので注意が必要です。社員には、必要充分な書面と口頭での説明と、社員が考慮に必要充分な時間的猶予も与えなければなりません。せっかちな態度はタブーです」
浜本総経理
「せっかちだけでもタブーなんですか?」
ポイントさん
「また、不明瞭な書面の通知を出してしまうと更に社員に正しく認識されないことから、同意も取れないことでしょう。そこで、同意されないからと言って、不用意な言葉や態度で社員に詰め寄ったりすると、会社から同意を強要されたと受け取られるかもしれません」
浜本総経理
「会社からの意向を断ったら居辛いというのもあるかもしれないし、辞めてしまおうかなんて考えられると、管理職として成長してもらう為に人事異動を考えてるのに、その人事異動の対処方法を間違えたばかりに辞職されちゃうというのも辛いね」
ポイントさん
「香港の人事上の交渉事は、会社の提示を社員が同意してくれるかどうかが問題です。常に成立する確率はと失敗する可能性は50/50です」
浜本総経理
「ごもっともなんだけど、とってもシビアだね」
ポイントさん
「だから、辞められることは悪いことではありません。しかし、辞めるに留まらず、もっとシビアなことを申し出てくるかもしれません」
浜本総経理
「はっ?」
ポイントさん
「それは、社員が辞任すると言い出した上に、辞職理由は会社の出してき人事異動が原因であるので、これは、そもそも、会社都合の雇用契約の終止であると申し出されるケースです。辞職願いを出しているはずが、使用者に解雇補償金や長期服務金の支給等を要求するわけです」
浜本総経理
「ああ、それが“推定解雇”の訴えというリスク・・・・・・」
ポイントさん
「総経理、沈黙はやめてください!」
浜本総経理
「・・・」
 
 
 
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[ 時事速報・香港便より転載 ]


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