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第51回 「西暦カレンダーでは見えない、家族で過ごす大切な日とは・・」香港ワーキングスタイル(4)

パソナアジアカンパニーリミテッド 戸崎悦子

☆P商事(香港)営業所の山田営業部長は、一年前に採用したアシスタントマネージャー、カトリーナさんの仕事ぶりにとても満足しています。残業手当が付かないマネージャークラスの彼女ですが、山田部長の急な残業や休日出勤のリクエストにも、いつでも快く応えてくれてきたからです。ところが、今月の初め、休日出勤のリクエストをしたところ、今までとは様子が違い、この日に休日出勤はできないと断られてしまいました。一体何が彼女をそうさせたのでしょう?そこで今日もやっぱり頼りになる我らポイントさんに相談することにしました。
ポイントさん
「カトリーナさんが、どうかされたと聞きましたが・・・」
山田営業部長
「ポイントさんに聞きたいと思って、彼女、いったいどうしちゃったんだろう?今までは、いつでも、残業や休日出勤に快く対応してくれてきたというのに・・」
ポイントさん
「ああ、今回は、リクエストに応えてもらえなかったわけですね?」
山田営業部長
「“女心と秋の空”ですかねぇ~?」
ポイントさん
「秋の空・・?」
山田営業部長
「そう。ちょうど、秋風が吹き出した10月初め、第一土曜日だったんですが、・・・その日に休日出勤を頼んだんだけど、即答で駄目!と言われてびっくりですよ」
ポイントさん
「10月の第一土曜日というと・・・」
山田営業部長
「納品遅れでコンプレインが上がったケース対応だったのですが、出張先が東京だったので、私が航空便でさっさと送る手はずを済ましたところまでは良かったのですが、その後、調べたら配達日がたまたま会社の休みの土曜日と重なってしまって・・・」
ポイントさん
「じゃ、この日は、事務所でこの航空便の荷を受け取ってほしかったわけですね?」
山田営業部長
「いや、夕方あたりに届く航空便を受け取り次第、お得意先1社には、どうしてもその日の内にハンドキャリーしてもらいたかったんです・・・」
ポイントさん
「・・・となると、やはり、仕事が終われば、夜になってしまいますね・・」
山田営業部長
「それは、そうなるでしょうね。夜といっても宵の口で終わったことですよ、夜中には絶対なりませんから。でも、そんなに難しいリクエストですか?」
ポイントさん
「その日の夕食の時間ですからね・・・」
山田営業部長
「その日の夕食?」
ポイントさん
「協力的な社員のカトリーナさんでも、この日に夕食の時間に食い込んでしまっては家族に叱られるでしょう。だから、対応が難しかったと思いますよ」
山田営業部長
「その日って何があったんですか??? まさか、人事のプロだからと言って、社員の休日の都合まで全部把握している・・なんて言い出すんじゃないでしょう?」
ポイントさん
「ある意味それは言えますね。人事は、社員の都合を相手にしての仕事という側面もありますから」
山田営業部長
「ふ~ん、さすが・・って、感心してる場合じゃない!一体どうしてカトリーナさんは、態度を一変して協力してくれなかったんでしょう?」
ポイントさん
「カトリーナさんは態度を変えてはいないと思います。だた、その日だけは、本当にまずかったですね。理由はとっても簡単です。旧暦カレンダーに注意すればすぐわかります」
山田営業部長
「旧暦カレンダー?」
ポイントさん
「そうです。例えば山田部長がカトリーナさんに出勤してほしいと要請された10月の第一土曜日は3日ですね。この日、今年は土曜日と重なり☆P商事では休日となったので、気が付き難かったわけですが・・・」
山田営業部長
「そうでした!今年10月3日は『中秋節』に当たりましたね・・・でも、これは日本の『お月見』なんでしょ?」
ポイントさん
「そうです」
山田営業部長
「ポイントさんが、あんまり答えを引っ張るんで、一体この日がカトリーナさんにとってどんな大切な日だったのかと心配しましたよ。盆や正月じゃあるまいし。近代的で合理主義の香港の大人たちが、別にお月見しなくてもいいんじゃないですか?」
ポイントさん
「お月見といってもですね、ここ香港での人事管理的な配慮としては、ご理解いただくべき日が、3日あります。この『中秋節』もそのうちの一日です
山田営業部長
「はあ・・・」
ポイントさん
「そして、この他にも二日は、どんな日なのか想像をつけられますか?」
山田営業部長
「旧正月の元旦と、クリスマス?いや、それとも国慶節・・。でも待てよ、これら2日は、旧暦のでは無いし・・・」
ポイントさん
家族としての絆を大切にする中国の風習として、香港で今も大変重視されているのは日は、『冬至』に当たる日なんです
山田営業部長
「はあ?一大イベントが『冬至』?!」
ポイントさん
「ちなみに、今年の『冬至』は、西暦の12月22日(火)に当たります」
山田営業部長
「あっ、それじゃ、どうあっても残業させられない要注意の日ということですね・・・」
ポイントさん
「そう考えていただいたほうが良いでしょう。次に『年三十』(或いは『年三十一』となる年もありますが、)です。この日は2番目に大切な日と言えます。旧正月の大晦日に当たる日ですが、家族で食事する日として欠かせない、大切な日となっています
山田営業部長
「『中秋節』や『年三十』より大切だと言われた『冬至』は、ちょっと僕らには見逃しがちの日ですね。旧暦をチェックしないとわからない・・ところで、家族で集まって一体何をするんですか?」
ポイントさん
「一年の節々にまずは家族で集まり、次はもちろん食事を共にして過ごす-この事を『過節』と呼び、親元に戻って夕食を共に取って過ごさない子供は、全くの親不孝者であるとレッテルを貼られてしまいます
山田営業部長
「はあ・・・」
ポイントさん
「今は、家族での食事は、外食するファミリーが増えているようですが、独立して家を出た子供がそれぞれの新しい家族と共に実家に戻り、2代、3代と集まって一家で食事を共にするというのが風習であることから、昔から雇用主は、年末年始はもちろんですが、この『中秋節』や『冬至』には、気を使ってあげて、社員をいつもより早く家に帰したという風習が、今でも企業で定着しています。☆P商事でも、社員を早退させていますね、山田部長もご存知でしょう?」
山田営業部長
「そう、そう、そう言えば、そそくさと帰っていく日がありましたね。そういう気遣いの日だったのですか・・・」
ポイントさん
「だから、さすが、急な残業のお願いをされても、全く嫌がらず協力的だったカトリーナさんでさえも『中秋節』ばかりは、普通の日のように対応できなかった・・ということです」
山田営業部長
「甘えてばかりで御免ね・・ってことですね。良くわかりましたよ、西暦カレンダーだけではわからない大切な日があることを覚えておきます」
ポイントさん
「ところで、山田部長にとっては、大切な日はいつですか?奥さんかお子さんの誕生日とか?」
山田営業部長
「大切な日・・それは、もちろん、ハッピーバレーでダービーがある日です!!」
ポイントさん
「・・・・」
山田営業部長
「ハッピー・バレーで、今日も“ハッピー・ダネー!”ってどう?」
ポイントさん
「つまらないダジャレぐらいまではお付き合いしても構わないのですが、今シーズンは、競馬新聞を日本語で読んでほしいからとか言って、私を誘って行こうなんで思わないでくださいよ!」
山田営業部長
「ポイントさんには“はっ!ピー・バレバレー”・・・な~んちゃって!」

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  • パソナアジアカンパニーリミティッド/人事労務(HRM)アドバイザリーサービス部
  • TEL: 852-2882-3484, E-mail : hrmhk@pasona.com.hk
  • Unit 01, 12A/F., One Peking,1 PekingRoad, TsimShaTsui., KLN., H.K.

[ 時事速報・香港第2便より転載 ]


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