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第46回 「コンプレインレターとブラックレター」
‐ローカル社員の心理入門シリーズ(その5)

パソナアジアカンパニーリミテッド 戸崎悦子

今週の人事管理のプロ ポイントさんは、香港で良好な人事マネージメントを行う為に知っておきたいローカル社員の考え方や価値観、働き方などについてお話します。

☆P商事(香港)営業所の佐藤総経理は、営業部の陳マネージャーのサービスについて、コンプレインレターを受け取りました。日本的なサービスをモットーとしている☆P商事としては大問題と、総経理自ら早々に、陳さんに注意しました。しかし、肝心の本人は、反省の色さえ見えず、逆に頑な態度となり反省どころではありません。どうしたら正確な情報を確認し、問題解決につながるコミュニケーションを取れるのか?そこでやっぱり頼りになる我らポイントさんに相談することにしました。
佐藤総経理
「これが、“キレタ”ということだねぇ、ポイントさん!」
ポイントさん
「血管ですか?健康診断の結果、血圧を気にされておられましたからね。」
佐藤総経理
「違います!ここで血管切らしてどうするの!コンプレイン、コンプレインレターだよ!!」
ポイントさん
「コンプレインレターですか・・・」
佐藤総経理
「こんな手紙を書かせるほど、営業部の陳君が先方を怒らせるとは思えなかったんだけれど・・」
ポイントさん
「それも陳さんに関するものですか・・」
佐藤総経理
「ところが、当の本人、事の重大性を全く感じていないようなんだよ!」
ポイントさん
「陳さんの頑なな態度に憤りを感じられ、注意しようと思っていたのに、思わず厳しく叱ってしまわれた・・・」
佐藤総経理
「ポイントさん、見ていたようなことを言うね」
ポイントさん
「お蔭様で、だいたいの想像は付くようになりました。陳さんが頑なになったとおっしゃいましたが、総経理は、“質問”していらっしゃるつもりで“詰問”されていたのではありませんか?この場合、こちらの社員は、答える前に自分の立場を正当化する防御策として、いろいろな理由から話し始めてしまいます」
佐藤総経理
「詰問と取られたのかなあ?なんだかいろいろ説明はしていたが、全く返事にはなっていなかった」
ポイントさん
「次に“注意”からエスカレートされて“叱られた”となると、こちらでは、既に交戦状態に入ってしまいます」
佐藤総経理
「相手が私だったから、さすがに交戦はしてこなかったが、“すみませんでした・・”の一言も無ったよ!」
ポイントさん
「すみませんが・・この場合、陳さんが会話のクッションとしての“すみません”とは、絶対言いませんね」
ポイントさん
「そのコンプレインレターですが、一体どのような内容が書いてあったのですか?」
佐藤総経理
「それは、担当である陳さんのサービスが悪い、融通が利かないというものだったんだ。会社として陳さんを処分してくれとまで」
ポイントさん
「どちらのお客様からですか?」
佐藤総経理
「ああ、それが、書かれていなかったのでわからないんだけど」
ポイントさん
「はあ?!」
佐藤総経理
「陳君にも聞いたけれど、相手は想像できないっていうんだよ。相手が判らないので内容も何のことかわからないの一点張りで・・・」
ポイントさん
「総経理、これはコンプレインレターではなく、ブラックレターですね」
佐藤総経理
「ブラックレター???」
ポイントさん
「匿名のレターのことです。総経理自らが、ここまで血圧を上げられることは無かったかも知れませんね」
佐藤総経理
「でも、私宛てに来た手紙なんだから、放ってはおけないだろ!」
ポイントさん
匿名の場合は、相手を中傷するということが目的ではないでしょうか
佐藤総経理
「それはそうかもしれないけれど・・・」
ポイントさん
「この場合、会社は、コンプレインの内容を考えることよりも、中傷された社員のまわりで何かが起ってはいないか調べることが必要です。管理側への黄色サインの一つとして受け取ります。そして、社員とその周りの状況確認を進めることが肝心
佐藤総経理
「そのとおり!だから、私から直接状況確認したかったんだが・・」
ポイントさん
「でもその場合には、普段から社員の業務を具体的に把握している上司にその作業を任せましょう
佐藤総経理
「山田部長は出張中だったから・・・」
ポイントさん
「お帰りになるのを待たれても遅くありませんよ。陳さんの現在の仕事の状況、他の社員との関係、お客様や業者さんとの関係など、周辺情報を確認しておけば良いでしょう。そして、このような匿名レターの扱いは、情報管理を徹底しましょう
佐藤総経理
「情報管理?そこまで気を使う必要があるのかね?」
ポイントさん
「さまざまな情報が氾濫している今日この頃です。レターでなくても無責任な匿名のメールが入ってくることもありますね。でも、匿名の情報は、ウワサの段階ですから、会社がウワサに踊らされていることの無いよう、社員にもこの段階で知らせない方が無難です
ポイントさん
「そして、もし社員から直接、状況説明や情報を収集したい時には、相手を緊張させない環境作りをしてから、コミュニケーションを取られるべきです」
佐藤総経理
「緊張させない環境作りでミュニケーション・・?」
ポイントさん
「鉄則がありますので、覚えておいてくださいね。(1)大きい声や音を出さない、(2)社長や総経理室など個人の個室に呼び付けない、(3)正面に座らない、(4)他の社員の前や部下の前で話さない、(5)組織のトップは出ないの“5つのナイ”です。それに、総経理の場合には“プラス1”が付いてきますが・・・」
佐藤総経理
「“5ナイ”に私だけ“プラス1”??」
ポイントさん
相手を緊張させない環境を作ると、社員が頑なになったり、反論したり、言い訳ばかりにならず、問題の要点に近い現状を聞き出すことを可能にします
佐藤総経理
「じゃ、組織のトップの私が、陳君を私の部屋に呼び付け、秘書のリリーさんが居る前で、正面に座って、声もだんだん大きくなって・・・」
ポイントさん
「そして・・・いつもの総経理のアクションが出たんですよね、お話しされながら机を手でパンパンと叩かれたとか・・・」
佐藤総経理
「全くそのとおり・・・ああ、それが私だけの“プラス1”かぁ・・」
ポイントさん
「このようなお国柄によるボディーランゲッジの違いにも、ちょっとした注意が必要です。例えば、机を“パンパン”叩かれるというのは、イライラやコンプレインの表れですが、それが、バンバン”となってくると交渉決裂のアクションとなります。日本で言うと“ちゃぶ台をひっくり返す”といったところでしょうか」
佐藤総経理
「ヘエ・・そう受取られていたのか。それじゃあまるで、『巨人の星』の飛星の父、一徹かぁ・・あんな頑なな陳君にしてしまったは、この父一徹だった!」
ポイントさん
「社員を緊張させない環境でのコミュニケーションには、この“ちゃぶ台”は、レトロ過ぎますね」
佐藤総経理
「トホホ・・」
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