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第44回 「チームワーク」
‐ローカル社員の心理入門シリーズ(その3)

パソナアジアカンパニーリミテッド 戸崎悦子

今週の人事管理のプロ ポイントさんは、香港で良好な人事マネージメントを行う為に知っておきたいローカル社員の考え方や価値観、働き方などについてお話します。

☆P商事(香港)営業所の山田営業部長は、気になっていた取引先からの未回収金について、営業部と経理部の現地人マネージャーを集め会議の場を持ちました。両部門がどのような連携プレーで早期解決できるかという相談をしたかったのですが、それぞれ一斉に相手部門の批判を始め、会議はまとまりがつかなくなってしまいました。チームワークを重んじる☆P商事ですが、香港では大変難しいことのよう。そこでやっぱり頼りになる我らポイントさんに相談することにしました。
ポイントさん
「山田部長、随分長い会議でしたね」
山田営業部長
「長いばかりか、一向に話がまとまらないので、来週また会議することにしました」
ポイントさん
「どのように進行されたのでしょう?」
山田営業部長
「最初に現状確認と思い、営業部と経理部が現在どのように未回収金について対応しているのかを聞いたのですが・・・」
ポイントさん
「はぁ・・・」
山田営業部長
「それが、最初から、それぞれが言い訳ばかりを述べ、結局、誰も回収に対して責任を持って対応してこなかった ということだけがはっきりしました。ああ、ここには、会社という船を社員が皆で一生懸命漕ぐ・・チームワークという発想が無いんでしょうか?!皆他人事のような話し振りなんです!」
ポイントさん
「そうだったのですね・・・」
山田営業部長
「そこで、今までの話はもう判ったから、今後この問題を会社としてどのように対応すべきか、提案や解決策に話を発展させたかったのですが・・」
ポイントさん
「発展しなかった・・・・」
山田営業部長
「そうなんです。経理部マネージャーからは、未回収レポートを作って営業に報告するのが経理部の職務範囲で、実際の回収作業は営業が担当すべきと言うし・・」
ポイントさん
「はい・・」
山田営業部長
「営業マネージャーはマネージャーで、お金に関する事は経理部の仕事で、自分たちには関係ないと言い出し・・・」
ポイントさん
「接点は見出せなかった・・・」
山田営業部長
「接点どころか、意見が真っ二つですよ。回収するのが営業の仕事だったら、経理部から督促状を勝手に得意先に送りつけるのは何故だとか、経理部からの未回収レポートが営業部に回されるのが遅すぎるとか・・・批判ばかりで」
ポイントさん
「山田営業部長から何かご意見は?」
山田営業部長
「私は、☆P商事本社では、営業は売りっぱなしではなく、回収までが業務範囲だと説明しました」
ポイントさん
「そうしたら、営業部の皆さんからは?」
山田営業部長
「そんな説明を受けていない。“職務分掌”に明記してほしいとか言われました。僕はあきれちゃいましたがね」
ポイントさん
「どうしてですか?」
山田営業部長
「だって営業部で1週間も仕事をしていたら、そんなこと僕から言われなくても判るはずです。支払い遅れが目立つ取引先に、僕自身が電話しているのを、皆いつも横で聞いているじゃないですか!今更、説明されていない、書いていない・・って、察してくれてもいいじゃないですか?!」
ポイントさん
「それは、英国式管理法とでもいうのでしょうか・・」
山田営業部長
「英国式?」
ポイントさん
「官僚的とも言えますが、良く言われるのが、(1)仕事は縦割で指示命令系統が明確であるべきだ、(2)職務範囲は明確であるべきだ、(3)自他共に職域を尊重し(他の職域を侵さないよう自分の職域を侵されないように)仕事をするべきだ等です」
山田営業部長
「それじゃ“臨機応変”や“気を利かせる”ってことが苦手ということですか?」
ポイントさん
「苦手というより、組織として上司に命令されていない限り、臨機応変に気を利かせて仕事をすることは、自分で判断し行動をとることになってしまい、それでは組織としては返っていけない という原理です」
山田営業部長
「それじゃ、常に“指示待ち”ということですか?」
ポイントさん
「そうですね。トップダウンの方が、表面的には仕事が早く進むかも知れません」
山田営業部長
「一般職の社員は、それで良いかもしれません。でも、今回はマネージャーレベルですから、僕は、仕事に対するもっと積極的な取組み姿勢を期待しているのですが・・・」
ポイントさん
「そのためにも、会社が社員へ職務範囲とその責任範囲を明確にしておく必要があります
山田営業部長
「そうですかねえ・・」
ポイントさん
「今回のように部門間での連携も難しい問題ですが、同じ部内でも、個人の職務範囲を守る、他人の職務範囲を侵さない・・という考えが皆あります。そこで、もし、職務範囲や責任を会社が設定していない場合、社員自らが自分の都合の良いように自分の職務範囲を決めようとします。それが、時間と共に社内で浸透していけば、事実上のその社員の職務範囲となり、遂には、自分がやりたい都合の良い仕事だけを担当し、やりたくない仕事には、誰も手を付けていないという結果になります
山田営業部長
「なるほど。今回の問題点は、まさにそこですね。でも、ポイントさん、そんなことより、僕の解決したいことは唯一つ。会社のために未回収金を早く減らしたい!」
ポイントさん
「そうですね!山田部長のその明確な目的を皆に強く打ち出しましょう!」
山田営業部長
「強く打ち出す?この会議を招集したことで、皆は判っているはずですが・・・」
ポイントさん
「いいえ、先ほどのお話からして、営業部も経理部からも保身的な発言が目立っていましたね。マネージャーさん方は、山田部長から、未回収金を放置してあったことの責任を追及されたと受け止めてはいないでしょうか?」
山田営業部長
「うむ、そう言われると、最初から最後まで自己弁護の発言ばかりでした。僕もちょっと攻めムードで話したし、やはり、改めて目的を打ち出してやる必要がありますかね」
ポイントさん
「次に、営業部と経理部のそれぞれの立場から違った貢献できるはずですから、マネージャーさんから提案してもらいましょう」
山田営業部長
目的を与え、社員に参加させる・・ここが、落としどころっていうわけですね」
ポイントさん
「次に“未回収金早期回収計画”として、両部門から紙面に整理して提案してもらいましょう」
山田営業部長
「紙に書き出させることではっきりさせられますね!」
ポイントさん
「そして、肝心なのは、上司である担当部長から意見が加えられ部門としてまとめ、次に会社として最終的に一つにまとめられた内容を皆が納得し実行することです。このように参加型で当らせることができれば、トップダウンよりも問題意識を共有し、効果も上がることが期待されます
山田営業部長
「なるほど、後は行動あるのみ!」
ポイントさん
「但し、経理部のマネージャーさんには、川崎経理部長から指示を出してもらうようお願いしてください」
山田営業部長
指示命令系統も肝心ということですね、判りました!これで、皆で同じ船を漕ぎ出せる、チームワークを実践できるというわけだ。そうだ、いっそのこと、会社でドラゴンボート倶楽部でも発足させましょうよ!」
ポイントさん
「そこまで、話が発展しますか?」
山田営業部長
「社員には実体験が何よりの勉強になりますから」
ポイントさん
「でも、理由は、実体験だけではありませんね?山田部長のことだから、練習の後に飲むビールとか?」
山田営業部長
「ポイントさん、さすが人事のプロ!僕の“落としどころ”をグッと掴んでますね!」
ポイントさん
「はい。山田部長の“落としどころ”ほど、単純なものはありませんから・・・」
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