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第43回 「正社員と派遣」
‐ローカル社員の心理入門シリーズ(その2)

パソナアジアカンパニーリミテッド 戸崎悦子

今回の人事管理のプロ ポイントさんは、香港で良いマネージメントを行う為に知っておきたい、ローカル社員の心理や価値観、働き方などについてお話します。

☆P商事(香港)営業所の営業部の山田部長は、いち早く固定経費削減を推進し、人員も思い切って半減させました。しかし、オーダーが少し戻ってきたとたん、人手が足りません。そこで、香港でも日本のように正社員と派遣やパート社員を共に活用し、仕事量に合った適材人員の確保と調整ができないのだろうかと考えています。そこでやっぱり頼りになる我らがポイントさんに相談することにしました。
ポイントさん
「このところ営業部の皆さんは、残業が続いているようですね」
山田営業部長
「少しオーダーが戻ってきたから・・と言いたいのですが、本当は、進めてきたリストラが原因ですよ。ちょっと、人員を減らしすぎたようです」
ポイントさん
「そうでしたか・・」
山田営業部長
「今少し忙しくなってきたからといっても、この先も安定してオーダーが入ってくるのか保障もないし、仕事量の変化に合わせた適正人員の確保はできないものかと考えているんですが・・」
ポイントさん
「営業部でも派遣やパート社員を短期間活用することはできませんか?経理部や物流部では、入力作業などが増える時期、数日から数ヶ月の短期で補充したり、産休社員の代理として派遣社員を採用していましたね」
山田営業部長
「ああ、経理のコニーさんが産休を取ったとき、いつもニコニコして愛想のいい子が一人増えたなぁ・・・と思っていたら、産休期間の派遣社員だったんですね。でも、香港では、日本のように常時正社員と派遣やパート社員を共に活用したりはしませんね」
ポイントさん
「日本では、正社員より派遣やパート社員の比率が高い組織もありますからね。それに比べると、香港でも派遣社員を活用する企業は多いものの、困ったときの短期活用が多いですね」
山田営業部長
「どうしてですか?正社員と派遣社員を組み合わせていれば、リストラしたとたん人手が足りなくなるなんで、右往左往しなくてもよかったと思うんですが」
ポイントさん
「たしかに適材人員の調整はできたと思います。しかし、人件費と言う点では、正社員でも派遣、パート社員でも雇用主の義務はあまり変らないといえます」
山田営業部長
「そうなんですか?」
ポイントさん
「例えば、パートで採用した場合でも、毎週18時間以上の勤務を4週間に渡り連続して雇用された社員であれば、正社員の扱いと同じように傷病手当の権利が発生します」
山田営業部長
「傷病手当?」
ポイントさん
「はい、勤務初年度には毎月2日ずつ、2年目以降は毎月4日ずつ“有給傷病日”が累積されるのですが、、傷病で社員が欠勤した場合、法定の条件がそろっていれば、会社は社員に対し、給与の5分の4を補償しなければならないというものです」
山田営業部長
「そうなんですか?」
ポイントさん
「また、同じように1週間に18時間以上の勤務が、60日以上に渡った場合には、MPF加入と積み立て義務付けられます」
山田営業部長
「MPFとなると・・・人件費の5%アップと言うことですね・・・」
ポイントさん
「そうなります。そして、この雇用が、3ヶ月に渡ると、年休取得の権利が発生します」
山田営業部長
「それじゃ、福利厚生を正社員と比較しての違いは、ええっ、ボーナスや傷病保険ぐらいしかないってこと・・・?」
ポイントさん
「目的が人員を調整しやすいと言う点では、毎回の雇用期間を決めて、更新していくことはできますが・・」
山田営業部長
「そういうことですね」
ポイントさん
「でも、一つ大きく違うことがあるかもしれませんね」
山田営業部長
「それは、僕もなんとなくわかります。勤務態度が良い人が多いような気がするんですが」
ポイントさん
「それは言えますね。派遣社員は、勤務期間が限定されていますが、能力や勤務態度に問題があれば、スタッフ交代という可能性があります。そういった面では、緊張感を持って仕事に対応してくれる人が多いことからではないでしょうか?」
山田営業部長
「その緊張感をもった勤務態度っていいなあ!」
ポイントさん
「そうですね」
山田営業部長
「ウチももう少し社内で派遣社員の比率を上げてはどうですか?」
ポイントさん
「香港でも考えていくべきかもしれませんが、それ以上に、中国のように正社員雇用することによって、会社の雇用に対する責任や人件費負担が過重となっている傾向がある場合は、社内で正社員と派遣社員の雇用バランスを図っていく必要があるかもしれませんね」
山田営業部長
「なるほど・・・」
ポイントさん
「でも、香港では、男女の働き方が変わらないことから、短期派遣の仕事を請けてくれる人材はまだまだ少数派なのは確かです。正社員でも、もし企業が採用条件において、1年契約制を更新していく方法を導入しようとしても、なかなか理解されないでしょう」
山田営業部長
「それは、納得しないだろうなあ・・ポイントさん、それじゃ、そろそろ仕事に戻ります」
ポイントさん
「そうですか、山田部長も自ら、営業部で残業ですか?」
山田営業部長
「いや、営業部じゃなく、専業主夫業の方ですよ。それこそ僕は、家庭では派遣社員に徹してますよ。今日も緊張感をもって勤めさせていただきま~す!」
ポイントさん
「僕もとっても身につまされます!」

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[ 時事速報・香港第2便より転載 ]


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