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第27回 (雇用条件編2)「希望給与と初任給の折り合いをつけるには・・」

パソナアジアカンパニーリミテッド 戸崎悦子

人事管理のプロ、我らの“ポイントさん”では、香港で社員採用するときの「採用条件」について10回シリーズでお届けします。その2は社員の“初任給”をどのように設定するのかについてポイントさんと一緒に考えてみます。

☆P商事(香港)営業所では、総務部の河野部長は日本から就任してきて1ヶ月。一日でも早く香港での人事管理に馴染めるようにとやる気満々はいいのですが、採用内定を出したのに断られて困り顔になっています。そこで、今日もなんといっても頼りになる我らポイントさんのレクチャーが続きます。
ポイントさん
「河野部長、何かありましたか?」
河野総務部長
「わかりますか・・今日ご相談したいと思ってきたのですが、先週から採用面接をしていた私のアシスタントですが・・」
ポイントさん
「そういえば、日本語を話す社員を募集されていましたね」
河野総務部長
「内定を出した候補者に断られたんです」
ポイントさん
「断られることだってありますよ。採用における会社と人材は、あくまでフェアーな関係ですから、断ったり断られたり・・」
河野総務部長
「いやあ・・それが、あんまりフェアーじゃないんです。断られたり、断られたり・・・」
ポイントさん
「そうなんですか・・ちなみに何人ほどに断られたのですか?」
河野総務部長
「3人ほど・・・」
ポイントさん
「ほお・・続けさまに3人」
河野総務部長
「はい、続けさまに・・」
ポイントさん
「採用条件をどのように決定されましたか?」
河野総務部長
「採用条件・・・それって、決まっているやつですよ」
ポイントさん
「決まっているやつ・・・・?」
河野総務部長
「まあ、肩書きについては、先回のレクチャーで聞かせていただいていたので、“オフィサー”っていうのにしました。これは、大卒の日本語ができる人材を採用したいと思っていることから単なる“アシスタント”というのは避け、私のアシスタントですからアシスタント・マネージャーというのもあるかと思ったんですが、でも、部下がいるポジションでもないことから・・そのようにしました」
ポイントさん
「なるほど・・」
河野総務部長
「そうですよね!ポイントさんにもこのタイトルについては納得しますよね」
ポイントさん
「給与についてはどう打診されましたか?」
河野総務部長
「打診というか、うちの給与基準から自ずとから数値を当てはめ、こちらで決めさせてもらった金額をオファーしました」
ポイントさん
「自ずとから・・ですか。でも人材自ら希望額を主張してきませんでしたか?」
河野総務部長
「ああ、それは、面接の時点で人材側から聞きました。面接では“何か質問は?”というと、みんな口を揃えたように、“初任給”と“年休”の詳細を聞いてきますね。年休については、日数が決められているので説明は簡単だったのですが、初任給については、返事は内定通知のときに・・としか言わなかったので・・」
ポイントさん
「お金の話しを堂々とされることには、最初は抵抗あるかもしれませんね。でも、どうしてもネゴが必要になりますね」
河野総務部長
「ネゴといわれても、基本的に給与基準があるので、その枠に合わせて会社が決めてオファーをする、それを受けるか受けないかですよね。だから、内定で通知すればいいと思ってやったんですが、まあ、本人の希望金額にだって、あくまで希望なんでしょ。満たない場合だって仕方ありませんよね」
ポイントさん
「そうですね、このごろの人材が書く履歴書には、現在の給与額と希望給与額などの情報を書いていないものが増えてきました。一昔前の香港の習慣では、はっきり「現在の給与」と「転職においての希望給与」を履歴書に明記しているものが一般的でしたから、企業もその金額を見て面接するかどうか決めていました。これはサラリーレンジに合うかどうかを先に見極めていますから、ネゴの余地無く会社からの内定をかけることもできます」
河野総務部長
「そういえば、今回どの人の履歴書にも給与額や希望額については明記されていませんでした。・・・ということは、面接のときに聞いてやるべきだった・・・」
ポイントさん
「そうですね。候補者の中には、日系企業の体質を良く理解している人も多く、給与や希望額については、尋ねない限りは自ら言わないようにしているようです。こうなると、ひょっとしたら最初から金額で折り合わっていなかったのかも知れません。状況を把握しておかないで一方的なオファーになると、人材の失望感も大きいものになります。」
河野総務部長
「そうですか・・今後どうすればいいでしょう?」
ポイントさん
「まず、面接前に現在の収入と今後の希望金額について尋ねておかれるべきですね
河野総務部長
「でも、希望額というのはあくまで希望で、好き勝手な数字になってはいませんか?」
ポイントさん
「もちろんそうですね。適当な数字を聞いても仕方ありません。そこで、一般的な希望金額についてお話ししましょう。一般的には、人材が転職によって求める昇給率の目標は現給与の15~20%といわれています。そこで、人材の希望給与額の妥当性を測るためには、現給与及び年収ベースの収入を理解したうえで希望額と照らし合わせば、単なる本人の希望なのか、妥当性のあるものなのかがわかりますね。もちろん数字にはプルーフが必要ですから、履歴書や面接で答えたこのような数字については、将来入社の暁には、収入証明を提出してもらうことになるということもこの時点でに候補者にははっきり説明しておきましょう
河野総務部長
「なるほど・・」
ポイントさん
「このように希望額が妥当なものであるかをチェックし、会社の給与基準に合わせた金額で人材に打診するわけです。ここで大切なのは、提示額は、少なくとも現職の給与より最低10%ぐらい高くなっていなければ、話はまとまりにくいといえます。」
河野総務部長
「今回は、現在の給与とほぼ変わらないようなオファーはかけていたつもりですが、そのうちの一人は、ちょっと年収ベースでは低くなっていたかもしれませんね」
ポイントさん
「香港で内定をかけられる人材の初任給が、現職よりも減っても転職するケースは、よほど辞めたい理由がるのか、または、実際香港でも97年以降からの不景気のときには珍しくなかったかもしれません。でも2005年ごろからは全く流れが戻りました。転職社会の香港に逆戻りとなっており、昨年労働者を対象に行われた調査では、「転職した理由」の第一、第二が「給与」と「職位」の向上というものです。昇給・昇格が在職している社内において行き詰まりを感じたら、転職することによってそれらを果たす・・ということは、転職する人材がクリアするべきことは収入の向上のみともいえますから」
河野総務部長
「そこは、大変よくわかりました・・でも、社員の給与ネゴなんて今までちょっともやったことありませんからねえ・・」
ポイントさん
「そういえば、試用期間後の見直しという方法もありますね。3ヶ月間のパフォーマンスを見てから給与の見直しするという条件も付けられます。ただし、だからといって、初任給が、現職の給与を割り込むオファーは、基本的には受け入れられないと思います」
河野総務部長
「うむ・・・」
ポイントさん
「なんだか、もっと悩みが深くなってきましたね?」
河野総務部長
「いやあ、面接では、この会社はいい会社だ!とか、やりがいのある仕事だ!とか、力一杯しゃべったことなんか誰も聞いてくれてなかったって・・、まるで“北京オリンピック”みたいな話しですよね」
ポイントさん
「河野部長の仕事に対する熱い気持ちはみんなに伝わったと思いますよ。でも、ちょっとその“北京オリンピック”みたいな話してどんな話しですか?」
河野総務部長
「“金”が出ないと盛り上がらない話し・・ってね」
ポイントさん
「うまい!」
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