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第26回 (雇用条件編1)「“肩書き”が大切?」

パソナアジアカンパニーリミテッド 戸崎悦子

今週からの人事管理のプロ、我らの“ポイントさん”では、香港で社員採用するときの「採用条件」について10回シリーズでお届けします。その1は“肩書き”の大切さについてポイントさんと一緒に考えてみます。

☆P商事(香港)営業所では、新しく総務部担当として河野部長が日本から就任してきました。そこで、河野部長は、一日でも早く香港での人事管理に馴染めるようにと、なんといっても頼りになる我らポイントさんからいろいろレクチャーを受けることにしました。
河野総務部長
「ポイントさん!今日からの“香港新就任者のための何でもレクチャー”をとっても楽しみにしてきたんです。なんといっても頼りになるポイントさんは、本社でもすっかり有名ですから、どうぞ宜しくお願いします!」
ポイントさん
「恐れ入ります。それではご赴任早々ご苦労さまですが、このタイミングにしか気づかないことも多いと思いますので、まずは質問させていただきます。この1週間で何か驚かれたことはありませんか?」
河野総務部長
「就任してからの1週間で、驚いたことですかぁ・・それだったら、間違いなく香港の女性社員パワーですね!」
ポイントさん
「やはり河野部長にとっても香港は、女性のパワーに驚かれたのですね。今までも日本から新就任された皆さんにそれぞれ聞かせていただきましたが、同様の驚きですね」
河野総務部長
「いやあ、初日の印象でしたから強烈でしたよ。社員が歓迎会を開いてくれましてね。初めて“飲茶”に誘われて行ったんです。そこでの女性社員パワーには本当に驚かされました」
ポイントさん
「男性が女性にせっせとお茶を注いでいたとかですね・・」
河野総務部長
「まさしく、そのとおりです。さすがポイントさん、よくわかりますね!」
ポイントさん
「いやあ、それがそのまま私の家庭状況ですから・・。飲茶の鉄則、ご存知ですか?男性は、お茶を注がなければならない、メニューを女性のリクエストどおり注文しなければならない、“買単(マイタン)”(お勘定)は済まさなければならない・・の“ならないづくし”ですよ・・」
河野総務部長
「・・・???ああ、そうなんですね・・それは同情します」
ポイントさん
「就任早々の河野部長にまで同情いただき恐縮です。さて、話が横道にそれましたが、その他には、何か驚かれたことはありませんか?」
河野総務部長
「そうですね。社員の“肩書き”についてです。ここでは、社員全員に“肩書き”を付けなければならないと聞いたのですが、本当ですか?」
ポイントさん
「“肩書き”や“役職”という日本語のニュアンスとは一致しない場合が多いので、ここでは“タイトル”と呼ばせていただきます。“タイトル”というのは、全ての社員につけられるものです」
河野総務部長
「そういえは、先日来社してくれたサプライヤーの営業担当のケースですが、受付でその営業担当さんが自分の名刺をレセプションのココさんに渡し、彼女が先に私の席まで持ってきてくれました。その名刺の“タイトル”を見たら“エグゼクティブ”って書いてあったので、どんなに偉い人が来たのかと慌てて会議室に飛び込んだら、あんまり若い人が座っていたので拍子抜けでした。彼に話を聞いてみると、新卒でこの会社に入って1年足らずということでした」
ポイントさん
「そうでしたか。香港では管理職にない営業担当を“セールス・エグゼクティブ”、また、内勤であれば“オフィサー”などたいそうなタイトルをつけます。部長が想像されたように、本来このエグゼクティブというタイトルが持つ意味は、米国式で、日本でも昨今頻繁に使われている“最高経営責任者”=“チーフ・エグゼクティブ・オフィサー(C.E.O.)”にも入っているように、本来は管理職、それも上級管理職ですからね」
河野総務部長
「そうでしょ。このようなタイトルを簡単に付けられると、こっちの判断が狂いますよね」
ポイントさん
「そのとおりです。先方が、米系、英系、中華系、香港系または日系の何れの企業であるか、または、企業のサイズ、業種においても理解して判断しない限り、相手の組織上における本当の“役職”をタイトルだけで本当に理解することが難しい場合があります。また、香港の現地企業では、レディ・ファーストの習慣同様このタイトルについても英国式を一般的に使用しています。例えば香港では“社長”は“マネージング・ダイレクター”で、米国式の“プレジデント”は一般的ではありませんね。しかし、米系企業も多く進出しているので、そのまま自国式を香港でも使用している場合があります。この場合、例えば“部長”を英国式のように“マネジャー”ではなく“ダイレクター”と呼んだりします。しかし、英国式では“ダイレクター”は“取締役”だと思ってしまいますね」
河野総務部長
「本当にややこしいですね。それでは、タイトルにはあまり意味を感じられませんね」
ポイントさん
「いいえ、ところが人材側の立場では、このタイトルが、雇用条件の一つとして考慮するに当たる重要な問題なのです」
河野総務部長
「??」
ポイントさん
「これには日本と香港の“就職”の概念が根本的に異なっていることを考える必要があります」
河野総務部長
「就職の概念・・・?」
ポイントさん
「日本では、“就職”は、“入社”ですね。会社に入るという観念です」
河野総務部長
「就職して会社の社員になるわけですから、それはそのとおりでしょう」
ポイントさん
「それが、香港では“就職”は、文字通りなのです。“職に就く”という概念が強いのです。ですから、タイトルとは人材が就いた仕事の専門領域を明確に表現していること大切です。これは、同職域を選んで転職しながら収入と立場を上げ成長していく人材市場であるからですね」
河野総務部長
「はあ・・」
ポイントさん
「例えば、小さな事務所で内勤の一般事務を採用した場合“タイトル”などは必要ないと思われるかもしれません。しかし、ここ人材は、いかに小さい組織であっても、その雇用条件として、“収入”“勤務地”“勤務時間”“福利厚生”と同じように、この“タイトル”について重視します。例えばこのタイトルを“総務クラーク”として募集されるより、同じ給与でも“オフィサー”として募集すると応募者数が倍増したりするのです」
河野総務部長
「そうなんですか!でもまた、転職するときに活用できる・・ってことですね」
ポイントさん
「ステップアップを図るためには、転職の度に高いタイトルを目指します。しかし、採用側としては、給与と組織サイズを聞けば、そのタイトルの真価について簡単にはかることが出来るのも事実ですが」
河野総務部長
「なるほど」
ポイントさん
「さて、また香港で、社員と飲茶に行かれる機会が結構あると思いますが、是非、5回に1回ぐらいは社員にお茶を注いで上げて下さい」
河野総務部長
「やはり、男性の役目なんですかねえ・・」
ポイントさん
「いやあ、さすがに社員は河野総務部長には、男性であるからとは社員は思いませんよ。ここでご説明したいのは、本来、お茶を注いであげるという行為は、男性・女性の役割ではなく気持ちの表れなんです。上司への尊敬や部下を敬う気持ちをそれぞれが相手に現すことができます。日本は熱燗というところでしょうが、ここはプーアール茶で人間関係を構築させてください」
河野総務部長
「プーアール茶で人間関係の構築・・・ダイエット効果も期待できそうですかね!?」
ポイントさん
「河野部長、そういえばこの二週間の歓迎中華宴会で、ちょっとメタボ部長じゃないですか?」
河野総務部長
「ポイントさん、素敵な“タイトル”ありがとう!」
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