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第25回 “MPF”(強制性公積金/Mandatory Provident Fund Scheme)の制度改正について(下)

パソナアジアカンパニーリミテッド 戸崎悦子

今週の人事管理のプロ、我らの“ポイントさん”では、香港の年金制度である“MPF”(強制性公積金/Mandatory Provident Fund Scheme)と給与計算・支給を合わせて考えてみます。

☆P商事(香港)営業所の川崎経理部長は、MPFに関する条例の一部改定によって、毎月10日までに積み立て手続きと支払いを完了しないと追徴金を請求されるようになること、また、住宅手当に対しても積み立て対象の収入とみなされるようになること等ポイントさんに説明してもらいました。そこで「MPFについては納得!」といきたいところですが・・・、今度はMPFの積み立て処理が上手く給与計算に連動して処理できるものかが気になってきました。そこで今日も、なんといっても頼りになる我ら“ポイントさん”に聞いてみることにしました。
川崎経理部長
「ポイントさん、もうちょっとMPFについて聞かせていただいてもいいですかぁ?」
ポイントさん
「もちろんですよ!川崎部長に心から納得!とおっしゃっていただくことが、今期自己目標の2番目なんですから」
川崎経理部長
「へぇ、そうなんですか?ちなみに自己目標の第1番目は?」
ポイントさん
「はい、それはもちろん、ウチの奥さんを納得!させることですよ」
川崎経理部長
「ああ、そっちのターゲットはクリアできそうにないですね。何といっても奥さんは、外資系銀行に転職されて、またまたキャリアアップされた超エリート・・」
ポイントさん
「まあ、そんな暗い話はそのへんにして・・・さあ、香港の年金制度MPFについてあらためて説明をさせていただきましょうか」
川崎経理部長
「お願いします」
ポイントさん
「まずは、MPF中国語で書くと“強制性公積金”です。文字どおり法定強制積立て金制度です」
川崎経理部長
「雇用主、被雇用者ともに毎月の総収入の5%ずつを積立てるのですよね?」
ポイントさん
「そうです。最低でも5%の積み立てとされていますから、そのまま5%を積み立てることにしている企業が一般的です。でも、ちなみにウチの奥さんの勤め先では任意の範囲で5%以上10%まで積み立てられるようです」
川崎経理部長
「さすがエリートは、細部にわたり優遇されていますね・・」
ポイントさん
「すみません。また、暗い話になりました・・・話を元に戻しましょう。この積み立ては、毎月の給与額が計算され決定されてから、社員の月収の5%を源泉徴収し、会社からの5%と合わせ、その積み立て手続きと支払いを社員全員分一括して会社が行います。社員は正社員でも臨時社員であっても入社後60日目から積み立て対象となりますから注意してください。また、一般的には、現行条例の定める拠出上限額に合わせて最高HK$1000としている企業が殆どです。」
川崎経理部長
「ああ、なるほど。それでボーナスやダブルペイが支給されても、積立金は倍になったりしていなかったのですね。それから、毎月の給与計算時にも手間取っているのが、基本給や住宅手当など固定給以外の手当てです。残業手当、出張手当など変動給についてがやっかいですよね」
ポイントさん
「そうですね。とても大切な点です。それぞれ会社によって支給期間と閉め日、また給与支給日が決められていますね。ここ☆P商事では、毎月25日に閉めて月末支給となっていますね。」
川崎経理部長
「そうです」
ポイントさん
「しかし、MPFの拠出金支払期限は、このような企業側の給与支給スケジュールに関わりなく、毎月10日までに積み立てを全て完了するというルールとなってしまいますから・・」
川崎経理部長
「う~ん・・ということは、☆P商事の給与支給日程が月末ということは、20日閉め25日支給の会社より時間的な余裕がないわけですね。それに毎月10日までに処理完了となると、実際に処理するのは稼働日だけで1週間も無いということですからね・・」
ポイントさん
「そうです。給与計算・明細完成が終わってから積立額計算・当月分積み立てリスト作成→登記済み会社代表者の署名とカンパニーチョップ捺印→社員リスト等提出と積立金支払いの準備と支払いという作業手順をとなります」
川崎経理部長
「残業代や出張手当などの処理が遅れのもとになりますね・・・」
ポイントさん
「毎月この給与計算やMPF処理のデッドライン前に人事部や経理部で残業している・・なんてことが起こっていないでしょうか?そこで、給与支給やMPF積み立てを遅滞なく効率的な処理ができるように給与支給の規定から考える工夫が必要でしょう。例えば、毎月出張や残業手当などは、できればあまり細かい支給規定としない。また、労働法の許容範囲を良く理解して残業手当や出張手当を翌月に回して支給することができないかなど、なるべく限られた時間内に当月給与が確定できれば、余裕を持って残業もせず給与支給やMPF処理ができるようになりますね」
川崎経理部長
「なるほど・・・ちょっと一連の作業を少し見直してみることが必要ですね」
ポイントさん
「香港は植民地時代が長かったからか、社会保障といえば公務員や教師以外にはあまり関係がない・・といった感がありました。地元中小企業や市民には認識しにくい体質があったようで、ORSO(Occupational Retirement Scheme)と呼ばれる退職金制度が随分以前からありましたが、任意のものでしたから地元大手企業や日系も含めた外資系が導入したに過ぎず、本格的な強制年金制度となると2000年12月から始まったこのMPFのみです」
川崎経理部長
「なるほど。そういえば、MPFではなく今でもORSOの社員がいますね」
ポイントさん
「社歴の長い会社にはMPFとORSOが混在しています」
川崎経理部長
「香港も高齢化社会に突入ということですか?」
ポイントさん
「ここは、人口は増加しているのですが、日本と同じように少子化の傾向が強く、また長寿化も進んでいます。例えば世界で一番長寿な男性は、香港男性ですね」
川崎経理部長
「ああ、なんとなくそれはわかりますね、香港の男性は長生きしそうな働き方ですよね・・」
ポイントさん
「そうですか?ここの男性は、仕事にも家庭にも一生を捧げていてダブルで大変な様子ですがねぇ・・」
川崎経理部長
「はあ、結構大変なんですね・・しかし、この会社には若い人が多いのであまりピンと来てなかったのですが」
ポイントさん
「香港の全人口における65歳以上の比率ですが、2004年には12%であったものが、2033年には27%に増加すると予測されています。また、労働市場におけるシニア層の活用が必要とされるといいながらも2004年の香港における65歳以上就労者が労働者人口全体の6%に当たったものに対し、2033年には2%まで低下するともされています」
川崎経理部長
「確かにどこでも少子高齢化で、年金問題が深刻ですね。今日もポイントさんのお陰でいろいろわかってきましたよ。今日は“ちょっと納得!”ってとこで、そろそろ昼飯にでも出かけましょう」
ポイントさん
「はあ?“ちょっと納得”なんですかあ。まあ、いいですけど、さて今日はどちらへ行きますかね、川崎部長?」
川崎経理部長
「新しくできた定食屋さんはどうですか?」
ポイントさん
「はい、それじゃ“ちょっとなっとく”・・・“さばていしょく”(鯖定食)ってことで、いただきます!」
川崎経理部長
「いやあポイントさん、ちょっとその程度のだじゃれでは、いただけませんねえ・・・」
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