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第22回 「台風、暴風雨の季節―雨で出勤させられない?!」― その1

パソナアジアカンパニーリミテッド 戸崎悦子

今週の人事管理のプロ、我らの“ポイントさん”では、季節柄気になる「台風や暴風雨の警報が発令された場合」について、その人事面での注意事項と実際の管理方法など2回に分けて考えてみます。

☆P商事(香港)営業所の佐藤総経理は、三連休初日の土曜日、早朝から暴風雨警報が発令され、その発令が数時間後には解除されたことから、これが出勤日であればどう対処すべきであったのかを考え始めました。香港では企業は、台風や暴風雨に見舞われたとき、気象台(天文台)が発令する警報レベルによって労働基準監督署(労工署)からのガイドラインに従うことが一般的です。しかし、佐藤総経理は、それでは会社の運営自体があまりにも天候の変化に左右されすぎるのではないかと、正直なところあまり馴染めません。悪天候においても会社としていかに通常営業を継続すべきか、今日もなんといっても頼りになる我ら“ポイントさん”に聞いてみることにしました。
佐藤総経理
「ポイントさん、このところ香港は雨続きでやっかいだね。今月もせっかくの三連休初日の土曜日が、集中豪雨でおじゃんになったねぇ」
ポイントさん
「佐藤総経理、豪雨でおじゃん・・・といえば、楽しみにされていたゴルフ・コンペが、あの雨で流れてしまったわけですねぇ・・」
佐藤総経理
「さすがポイントさん、私の新しい秘書のエイダさんから、早速情報を仕入れたね。でも流れたのがコンペ程度でよかったよ」
ポイントさん
「そうですね、今回この雨では、浸水や一部に倒壊の被害や犠牲も出ましたからね」
佐藤総経理
「それもそうだ。それから、私としては、あの日が通常の営業日でなくてホッとしたよ」
ポイントさん
「それもそうですね。土曜日は隔週出勤しているわけですから、出勤日に当る土曜日でしたら労工署(Labour Department)のガイダンスどおり社則に定めてあるように対処することになりますね。今回のように出勤前に黒雨となった場合には社員は出勤してはいけない。また、警報が解除されるまで自宅待機ということになります。またこの場合、社員への給与を差し引くことは違法であり、一律に支給されている交通手当てや皆勤手当てなども影響なく支給されなければなりません
佐藤総経理
「う、う~ん。給与を払うとか払わないとかじゃないんだけどね・・。雨、あられ、たとえ槍が降っても私は働き続けてきたわけだよ。天気が悪いから社則で会社が自動的に休み・・っていうのには、正直抵抗を感じるなあ・・」
ポイントさん
「しかし、ガイダンスがですねぇ・・」
佐藤総経理
「そう、ガイダンスなんだろう。そもそも法定の強制力があるものでは無いってことだろう・・・」
ポイントさん
「はい、でも・・・」
佐藤総経理
「ここは学校じゃないのだから、大の大人を掴まえてこんな細かいルールを社則にまで書き込んで徹底させなくてもいいんじゃないかと思うわけだよ。現に日本人社員は悪天候にもめげず出社してきているしね。香港でも社員の自己判断、自己管理っていうのではダメなのかな?」
ポイントさん
「総経理のお気持ちは良~くわかります。しかし、香港では社員のそれぞれの判断で出社されては、会社が大きなリスクを背負うことになります」
佐藤総経理
「大きなリスク?」
ポイントさん
「それについては、通常時と悪天候時における(1)労災の適用範囲と雇用主の保障責任範囲の違い、そして(2)労災保険のカバーする範囲についても理解しなければなりません
佐藤総経理
「うん・・??」
ポイントさん
「まず(1)ですが、通常時通勤・退社の途上については、労災の適用となるかどうか総経理はご存知でしょうか?」
佐藤総経理
「ああ、確か通勤や退社時は、労災の適用を受けないと聞いたことがあるよ」
ポイントさん
「そうですね。会社が社員のために通勤バスなどを自主的に運行していない限り、社員が通勤退社途上において、例えば公共の交通機関などで事故に遭遇した場合は労災の適用外と見なされます」
佐藤総経理
「そうだろう」
ポイントさん
「しかし、それがですね、悪天候(台風シグナル8以上や黒・紅雨暴雨警報発令時)において、会社の要請で社員に出勤した場合には、退勤時間として“社員の出勤時間から4時間さかのぼることの、また、退社時間より4時間経過した時間までが、労災の適用を受けることになります。退勤途上とみなされる場所で万が一社員が事故に巻き込まれた場合には、会社はその補償責任の一切を負わなければならないと雇用補償条例に明記されています」
佐藤総経理
「うん、でも、万が一の場合には、労災保険があるってことだろう?労災保険は法定で社員全員に対して加入していることだし・・・」
ポイントさん
「それが、一般的に法定どおりに会社が加入しているの労災保険では、悪天候時の退勤時間はカバーできないタイプです。例えば、業務上の必要性があり天候に関われず社員を出勤させなければならない小売業、サービス業、ホテル業などでは、労災保険でも悪天候時特約(Extra ordinary weather cause)に加入しておくことが必須となります」
佐藤総経理
「はあ・・なるほど。社員の保険を買い換える必要か・・」
ポイントさん
「また、社員が妊娠されている場や、また、例えば離島に住んでいる場合、バス通勤やMTRの最寄り駅までミニバスやバスを乗り継いでいるなといった社員の通勤経路を知れば知るほど、悪天候時に大変高いリスクを抱えた状況であることを認識されることでしょう。そこで、このような通勤経路の調査をまず実施され、出勤可能な社員を絞り出されておき、保険の見直しを考慮させることになりますね。」
砂糖総経理「なるほど・・」
ポイントさん
「そして次には☆P商事の取引先顧客が、悪天候においてどのような運営をしているのか、悪天候時において☆P商事にどんな対応を望むのかをたずねてみることです。これはサービス上の気遣いとしても先方にも受け取られるでしょうし、また出勤させる必要の有無を計る判断基準になりますね」
佐藤総経理
「なるほど・・・」
ポイントさん
「そして、ほとんどの取引先が平常営業をしていない、社員を出勤させないでもよいということであれば、会社は、毎年この時期に”悪天候時のルールを回覧し社員にリマインドする”周知徹底させることが必要となります」
佐藤総経理
「そうだね、かえって自主的に出社されたら、会社にとってリスクというわけだ。労務管理上やっかいになることが予想できるなぁ・・・よし、わかった!悪天候の対応についての注意事項は、明日改めて聞かせてくれないかな」
ポイントさん
「わかりました!」
佐藤総経理
「それじゃ、今日はこれぐらいにしよう。ポイントさん今日も雨だね。パッとしないねえ・・この雨に打たれて帰るよりウチにでも来て、またマージャンでもどう?」
ポイントさん
「ああ、雨で室内競技に転向ですか」
佐藤総経理
「この前もみんなで盛り上がったねえ」
ポイントさん
「いいえ、総経理が一人で盛り上がられていたんですけど」
佐藤総経理
「最後に私が打った一手が効いたんだろう?」
ポイントさん
「総経理、僕は同じ打たれるのだったら今日はこの強い雨に打たれて家に帰ったほうがよっぽど個人的リスクが低いとみました!それじゃ、お先に失礼します!」
佐藤総経理
「そうかなあ、絶好の気晴らしになると思・・わないよなあ」
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