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第19回 「社員解雇は難し~い!!」

パソナアジアカンパニーリミテッド 戸崎悦子

 今週の人事管理のプロ、我らの“ポイントさん”は、社員を解雇するときに考慮しなければならない点を労働法や差別条例に及んで配慮が必要であることをお話します。

☆P商事(香港)営業所の山田営業部長は、日ごろから勤務態度が気になっていたセールスアシスタントを解雇するつもりです。そこで、念のため今日もなんといっても頼りになる我らの“ポイントさん”に話しを聞くことにしました。
山田営業部長
「ポイントさん、お久しぶり!」
ポイントさん
「山田部長!ご無沙汰しています。ちょっと貫禄つきましたか・・営業部長の風格というか・・・」
山田営業部長
「いやあ、このところ中国出張ばかりでね。中華宴会続きで太り気味なんですよ・・・。でも、ポイントさん、いつも言葉を選んでくれて気をつかってくれますよね。心にしみますよ!!」
ポイントさん
「あの山田部長、私のいつもの社交辞令にそのリアクション・・・っていうことは、ちょっとお疲れ気味なんですね。中国出張は大変ですか。」
山田営業部長
「出張は慣れてますからいいんですが、実は出張中のオフィスが問題でね。」
ポイントさん
「オフィス?!」
山田営業部長
「納期遅れや納品間違いのトラブルが、○△電機さんのところで立て続けに起っているんですよ。」
ポイントさん
「○△電機さんといえば山田部長が苦労されて取引を始められた・・」
山田営業部長
「そうそう、就任して間もない頃、とっても苦労して成約したケースでね。やっと取引が始まるというので営業部でもベテランのリタさんを担当窓口としたんです。当初から取引額も毎月右肩上がりで、リタさんはベテランだけあってクレームが起っても臨機応変に即対応してくれたから、○△電機さんの信頼度が逆に上がったりしましたよ。それと何でもよく僕に相談してくれました。僕も今のように出張が頻繁でなかったこともあって、営業やサービスについてはよく話し合いました。ところが、年末に辞職しちゃっうんだものね。急場しのぎでエミーを担当にしたのがまずかった!」
ポイントさん
「逃がした魚は大きかったというわけですね。でも、エミーさんもここで職務経験を積んでますよね。」
山田営業部長
「来月で5年目に入りますね。」
ポイントさん
「そうですか・・5年目直前ですかぁ・・ちょっと微妙な時期ではありますね。」
山田営業部長
「微妙・・・??」
ポイントさん
「それから、具体的にどういった業務について対応できないのでしょう?」
山田営業部長
「“ほうれんそう”っていうのかなあ・・僕に報告も相談もなければ客先への連絡も遅い!!クレームが起らないように先に一本電話を入れておくとか、問題が起ったとしても直ぐに状況に判断し対応すべきか判っていない上に自分で勝手に判断してやっつけ仕事をしてしまう・・。」
ポイントさん
「うむ・・それでは、今までこれら問題点を上司として解決の手助けしてあげるために何か具体的な指導やトレーニングはされましたか?」
山田営業部長
「正直どう指導すればいいのかなあ?いつも彼女には、仕事はチームワークであることや自分で判断に困ったときは僕に直ぐ相談してほしいということは、口を酸っぱくして言ってきました。でも、自分で判断できると思った・・なんて対応したことが全部裏目に出ている現状なんです。OJTで教育しているというのは駄目ですか?」
ポイントさん
「5年も勤務していればOJTで覚えてくれたことも多いでしょう。でも解雇となると証明が必要となりますので、OJTは苦しいですね。また、管理者が社員に求めている具体的な職務態度や対応方法について、できるだけリクエストを明確に社員に伝えておくこと。それも本人もそれら内容を認識していること。また、業務の習得が見られない場合にはその都度、管理者側が習得させるように説明し、社員も至らない点を認識し、改善の努力をしてきた・・・が、それでも仕事に支障がまた出た場合には、社内異動や業務内容を変更してやるなど充分な機会を与えているか等々・・・全て記録と社員が認識した証拠が必要になります。」
山田営業部長
「僕、自身出張続きだからメールで連絡が中心。指示指導した内容はたまたまですが全て残ってますよ。でも、社員とのやり取りをいちいち記録つけるほど暇な管理者はいないでしょう!」
ポイントさん
「確かにそのとおりです。だから、解雇は難しいということにもなります。ジャッキーさんの場合には、職務怠慢ということもないのですね?」
山田営業部長
「彼女は、責任を追及されるのが嫌いみたいで、最後まで黙って何かしら対応してはいるのです。でも、それが全くの的外れで逆に問題を大きくしてしまっているというのが実情です。」
ポイントさん
「それでは、そのほかに気になることはありませんか?」
山田営業部長
「実は僕が一番気になっているのは、彼女肝心なときに病欠することなんですよ。ポイントさんだけには言っちゃいますけどやっぱ月曜日に休まれたりすると仕事に身が入っていない!と思ってしまいますよ。」
ポイントさん
「ああ、病気ですかぁ・・・。」
山田営業部長
「それから、半年ぐらい前に1週間ほど入院してたのですが、そられからというもの一ヶ月に二、三日は病欠を申請しています。僕にとっては、体力だって能力の一部だと思っているんですけど・・。」
ポイントさん
「あのうすみませんが、彼女が入院していたり病弱であるということであれば、どうしようもありません。病気や妊娠中の社員を解雇するリスクはあまりにも高過ぎます。
山田営業部長
どうしようもないって、それじゃ、どうすればいいんですか?
ポイントさん
「何よりもまず、ジャッキーさんには元気になってもらいましょう。その後の話はそれからです。できれば、次のことを念頭に業務管理をしておけば、もしもの“解雇”という事態にはリスクを抑えて処理するための準備になります。(1)会社が社員に与えている職位と職務内容に関連する職務分掌をまとめられ社員にも認識させ、承認の署名を残してもらう。(2)能力、経験、技術、適応性を会社が充分理解し、また、適切な評価基準と記録をもって判断しており、(3)適正な昇給や昇進、賞与を与えている。(4)それでも適応性が不足していると判断した場合、会社がトレーニング実施や業務指導に努めているという事実と記録が必要です。(5)また、それでも適応性が見出せない場合、担当職務の内容を変えてやるや人事異動というような会社からの機会を充分与えてきたかなどが大切です。このように就業機会を雇用主の都合ではなく、社員に平等に与えられているかということですね。
山田営業部長
「ああ、もう充分です。こっちの頭が痛くなってきましたよ、ポイントさん!!」
ポイントさん
「まず元気になってもらうのは、ジャッキーさんじゃなくて山田部長のほうですかね?」
山田営業部長
「ああ、まさしくそのとおり!助けてポイントさ~ん!!」
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